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ラベンダーやミントに代表される植物の香りには、心身の不調を改善する力がありました。「臭活(しゅうかつ)」とは、嗅覚をきたえ、香りでセルフケアすること。体、心、そして脳まで元気で長生きするために、今日からぜひーー!

 

認知症の改善や痛みの緩和、介護する側の心のケアなど、香りを活用した「アロマセラピー」の必要性と効果が今、介護の現場で注目を集めている。実際、香りにはどんな効果があるのだろう。予防医学にも詳しい、セラピストの有藤文香さんに話を聞いた。

 

「アロマセラピーは、エッセンシャルオイルを使った、古くからある自然療法です。エッセンシャルオイルとは、精油やアロマオイルとも呼ばれますが、植物の香り成分を抽出したエッセンスのこと。心身をリラックスさせるだけでなく、ホルモンの分泌を促す、自律神経を整える、脳細胞を活性化させるなど、体と心のあらゆるところに作用して不調を整え、自然治癒力を高める力があります」(有藤さん・以下同)

 

香りはどのようなメカニズムで、私たちの体に作用するのだろう。

 

「1つ目に、香りを吸い込むことで鼻から大脳に作用。五感の中でダイレクトに脳に届くのは嗅覚だけなんです。2つ目に、のど、気管、肺の粘膜を経由して血液へ。3つ目に、皮膚から浸透し、血液やリンパ液へ。この3つのルートで、全身に信号が送られます。ゆるやかだけれど効果が高いのが、皮膚からの作用なので、なかでもアロマオイルを使ったマッサージはおすすめです」

 

セルフマッサージでもいいが、マッサージはコミュニケーションツールにもなるという。

 

「体にさわると、疲れているとか、冷えているとか、相手の状態がよくわかります。コロナ禍で家にいる時間が長くなり、マッサージを覚えたいという人が増えたのですが、『夫の体なんてここ数十年もさわったことがなかったけれど、気持ちよさそうにしている様子を見ると、離れた心も近づいて会話が増えました』という報告も。受ける側だけでなく、ほどこす側にも香りの効果はあるので、ぜひ、家族にも試してみてください」

 

【マッサージオイルの作り方】

 

エッセンシャルオイルを直接塗ると刺激が強すぎるため、キャリアオイル(100%天然ホホバオイルがおすすめ)で薄める。保存容器にキャリアオイルを入れ、好みのエッセンシャルオイルを加えて振り混ぜる。割合はキャリア10ml:エッセンシャル4滴(フェース用は2滴、敏感肌は1滴)。これを少量塗り広げて優しくさする。保存は冷暗所で2週間。

 

多くの人が気にする認知症についても、香りが効果を表すようだ。特定の香りが効くというより、嗅ぐことで得る刺激が大切だという。さまざまな香りをバランスよく嗅ぐことで、嗅覚がきたえられて脳も活性化。さらに、香りには記憶を呼び起こす作用もあるので、認知症予防にプラスに働く。

 

「オイルを選ぶ際、化学的なものは逆効果。天然100%で無農薬のものがベストです。そのぶん値段は高くなりますが、使うのは少量で十分ですし、毎日を笑顔で過ごすためにも、食べ物以上にいいものを選んでくださいね」

 

「女性自身」2020年12月29日号 掲載

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