天地がひっくり返ったよう…めまいの主原因“めまい症”とは?
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昨年の晩秋のこと。スッキリしない天気で、一日中頭が重いときに、私、記者Mを“激しいめまい”が襲った。

 

夕食後、編集部で作業をしていると突然、目の前の風景がグルグル回転した。「食後だから血糖値が上がったのかな?」と思い、早めに帰宅しようと家路を急ぐ途中、今度は体がふわふわして、まっすぐ歩けない。思わず電信柱に頭をぶつけそうにもなった。

 

その足で夜間診療をしているクリニックに行くと、「耳鼻咽喉科に行って詳しく検査してもらうように」と言われ、翌朝、近所の耳鼻咽喉科を受診すると、「良性発作性頭位めまい症」と診断された。

 

最近、年のせいか「“激しいめまい”に見舞われた」という声をよく聞くようになったが、先日、担当編集Yも私にこう打ち明けた。

 

「朝起きて眼鏡をとろうと、寝た姿勢のまま後ろを振り返った瞬間、天井が高速でまわりだして。驚いて耳鼻科に行くと、良性発作性頭位めまい症と診断されたんです」

 

そこで、私も同じ病気で悩んでいることを話すと、「ぜひこの病気の特集をしよう」ということに。さっそく、めまいの権威として知られる、横浜市立みなと赤十字病院めまい・平衡神経科部長の新井基洋先生のもとへ向かった。

 

「ある日突然、天地がひっくり返ったような激しいめまいに襲われて、『何か大変な病気では?』と不安になる方もいらっしゃるでしょう。めまいやふらつきに悩む人は、日本全国で約300万人にのぼるといわれ、そのうちの9割が耳に原因があります。耳の奥にある内耳には、体の回転感、傾きや重力などを感受して体のバランスをつかさどる三半規管、耳石器という部位があり、ここに問題があるとめまいが起こります。耳の病気によるめまいといえば、メニエール病でしたが、今はかかる人は10%ほどで、Mさんや編集のYさんがかかった『良性発作性頭位めまい症』が最も多いのです。どんなときにめまいが起きて、同時に頭痛やほかの症状があるかどうか。めまいとともに、耳鳴りや難聴を伴うとメニエール病や突発性難聴が疑われます。症状をメモに残しておき、医師に伝えると、正しい診断につながります」

 

良性発作性頭位めまい症とは、内耳の耳石器の耳石がはがれて、三半規管に入り込んで生じるめまいのこと。「一度だけでなく何度もめまいが起きる」「洗顔やお辞儀で顔を下に向けたとき」や「上を向いて目薬をさすとき」など、頭を動かしたときにめまいを感じるのが特徴という。気になる症状を次のチェックシートでチェックしてみよう。

 

【こんな症状があったら要注意! もしかして「良性発作性頭位めまい症」かも?】

□ 一度だけでなく、何度もめまいを繰り返す
□ 人に呼ばれて振り返るとめまいがする
□ 頭がふらついて車庫入れができない
□ 「顔を洗う」「掃除機をかける」など、下を向いたときに目がまわる
□ 「目薬をさす」「洗濯物を干す」など、見上げたときに目がまわる
□ めまいとともに「キーン」とする耳鳴りはしない
□ 「声や音が聞こえない」ということはない
□ 低気圧が来ると、吐き気を伴うめまいがおこる

 

「更年期以降の女性は女性ホルモンの減少とともに、カルシウムが不足し、耳石がはがれやすくなります。耳石は直径0.01ミリで1万粒あり、それが多数はがれて耳石塊になり三半規管に入ると、頭を動かすたびに、耳石塊が動いてめまいを感じるのです」(新井先生)

 

「女性自身」2020年12月29日号 掲載

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