健康な人もなる加湿器肺炎 小型・安価に多い超音波式は注意
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「加湿器のタンク内の水を何日も交換せずに使用すると、水の中で細菌が増殖。その菌が空気中にまき散らされることで『加湿器肺炎』を引き起こす可能性があるんです」

 

こう話すのは、浜松医療センター院長補佐・感染症内科部長で感染症に詳しい矢野邦夫先生だ。加湿器の売り上げが増えている今冬は、加湿器が原因の肺炎が増加する可能性があると懸念する。

 

「加湿器肺炎は、加湿器の中で増殖したカビや細菌を吸い込むことで起こる肺炎。免疫力が落ちている人がかかる細菌性の肺炎と、健康な人でもかかるアレルギー性の肺炎の2種類があります。細菌性の肺炎は、放置された水の中で増えたレジオネラ菌などを、高齢者など免疫力が低下している人が吸い込むことで発症。重症化しやすいのが特徴です」

 

’18年には大分県の高齢者施設で、加湿器のタンク内で増殖したレジオネラ菌に80〜90代の男性3人が感染。そのうち1人が死亡した。

 

「健康な人もかかるアレルギー性肺炎は『過敏性肺炎』と呼ばれています。加湿器の中で増殖したカビなどを繰り返し吸い込むことで、肺が過敏に反応し、アレルギーを起こしてしまうのです。加湿器をつけるたびに、咳や発熱、悪寒、息切れなどの症状が出ます」(矢野先生・以下同)

 

しかしなぜ、加湿器のなかでも、“超音波式”が危険なのか?

 

「加湿器の水に雑菌が繁殖してしまった場合でも、加熱式など煮沸するタイプの加湿器であれば、カビや菌は死滅します。しかし、水に振動を与え細かな水滴にすることで加湿する超音波式では、水滴内にカビや菌が生きたまま入り込み、空気中を漂ってしまうのです」

 

気化式の加湿器では、気化した水滴のサイズが非常に小さいため、菌が含まれることは少ない。しかし、フィルターに菌が繁殖すると風にのって菌が拡散されるため、定期的な手入れは必要だ。

 

【超音波式加湿器のお手入れ方法】

・水は毎日交換する
・水交換の際にタンクの内側もふり洗いする
・消耗品のカートリッジや給水スティックは定期的に交換する
・加湿器を使わないときは、タンクの水を抜き洗浄後、乾燥させて保管する

 

「最も重要なのは、タンクの水を毎日交換することです。1日1回水を替えれば、カビやレジオネラ菌などの繁殖はほぼ防げるでしょう。その際、タンクの内側を水でふり洗いして、古い水が残らないようにしてください」

 

「女性自身」2021年2月16日号 掲載

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