「コロナ感染予防が普及したこともあってインフルエンザは今のところ流行にはいたっていませんが、花粉にはまた別の心がけや対策が必要となってきます」
そうアドバイスするのは、たなか耳鼻咽喉科の田中伸明院長。体調を整えて免疫力を高めることに加えて、ウイルス対策の観点からその重要性が注目されているのが、鼻の中のメンテナンス(鼻メンテ)だ。
コロナ禍に追い打ちをかけるようにやってくる花粉の本格シーズンを前に、鼻を健全に保つことが欠かせないという。
鼻には“空気清浄機”のような役割があり、その機能を最大限生かすことが身を守ることにもつながると田中院長は話す。
「鼻には、外気を調整して肺が呼吸しやすい温度と湿度に整える機能と、異物などを取り除く機能が備わっています。『鼻孔』(鼻の穴)から入った空気は左右の鼻腔を通過して鼻の突き当り、のどの上にあたる『上咽頭』で合流して、のどから肺に向かって流れます。上咽頭はウイルスを含んだ空気がたまりやすい場所で、粘膜下にリンパ球などの組織が発達しています。このリンパ組織の集合体が“扁桃”で、呼吸によって鼻や口から入ってくる異物を捉え、気管や肺への侵入を防ぐ免疫機能を持っています」
ウイルスにも花粉にも負けないためには、鼻うがいや鼻呼吸など、日ごろの“鼻メンテ”を習慣にし、体に本来備わっている“天然の空気清浄機”を十分に発揮することが不可欠だそう。
「女性自身」2021年2月23日号 掲載