なんか気になる症状があるのよね。でも、たいしたことないし、もし深刻な病気だったらイヤだから、見ないふり……、というアナタ! 命に関わる病気が潜んでいるかもしれないのだ。このサインがあれば、専門医の受診をーー。
「ほんの些細な症状を放っておくと、あとで重大な病気のサインだったとわかることがあります。自分の体の状態をよく見ておき、変化に気をつけることが大切です」
そう話すのは『主治医が見つかる診療所』(テレビ東京系)にレギュラー出演中の総合内科専門医・秋津壽男先生。こうした症例を著書『放っておくとこわい症状大全』にまとめている秋津先生から、とくに気づきにくい重大な病気のサインを教わった。
【Q1】なぜかウエストだけがぽっこりしてきた
【A1】卵巣のう腫
とくに太る理由がないのに、数カ月で急におへその下が膨らんできたときは、卵巣のう腫の疑いが。卵巣は左右2つあるので、どちらに腫瘍ができたかによって膨らみ方は異なりますが、軟らかな腫瘍なので、触っても素人には脂肪と区別がつきにくいため、注意が必要です。
【Q2】急に視野が狭くなった
【A2】脳腫瘍
片目の視野が欠けても、反対の目が補い自覚しにくいもの。定期的に片目で物を見る自己検査をしてみて。視野の半分が紙で覆われたように見えなくなるのが特徴で、まず眼科で 緑内障の検査を受け、異常がなければ、脳にできた腫瘍が視神経を圧迫している可能性があります。
【Q3】心当たりがないのに腰が痛い
【A3】老人性うつ
ぎっくり腰などが原因ではないのに、腰痛が長引く場合、心因性の痛みの可能性が。とくに65歳以上の人で、定年退職や子どもの独立といった心のストレスが体の痛みとしていちばん出やすいのが腰痛なのです。活動が減って寝たきりになることもあるので心療内科で受診を。
【Q4】においがわかりにくくなった
【A4】認知症
においをかぐという能力は脳のいちばん原始的で大事な感覚。これが失われ始めるのは、物忘れなどより先に現れる認知症の初期症状です。焦げているにおいに気づかず鍋を焦がしたり、料理の味付けがおかしくなったら、認知症を疑い、神経内科を受診することをすすめます。
【Q5】自然とまぶたが下がる
【A5】くも膜下出血
脳の動脈瘤が破裂して起きるのがくも膜下出血。発症すると3分の1が亡くなる恐ろしい病気です。その前兆として、脳動脈瘤が目に関わる神経を圧迫し、まぶたが自然と下がる、ものが二重に見えるなどの異常があります。万一、こうした症状が出たら、すぐに脳神経外科で検査を。
「若い人は自分の健康を過信しているから気づかない。また中年以降は、もし本当に深刻な病気だったらイヤだなと見て見ぬふりをしているケースもあります。でも、まだサインの症状のうちに受診して早期に対応すれば、簡単な手術で治るケースが多い。どんな病気でも、初期の段階で見つけることが、長生きのコツなんですよ」
もしこのような症状を自覚したら、自己判断したり、怖がったりせずに、なるべく早く専門医に相談することをおすすめしたい。