■「あくび」が脳幹の働きを促し、健康に
そして駒川さんが編み出したのが、大きく口を開けてあくびの動作をする「ライオンあくび体操」だ。
【座ってライオンあくび体操!】
〈ステップ1〉※事前チェック(1)〜(4)
(1)背筋を伸ばして座る。立位の場合は姿勢を正して正面を向く。
(2)顔を右に向けて口を大きく開けて鼻から空気を吸う。ここでは、力まずにできるだけ大きく開ける。
(3)顔を左に向けて口を大きく開けて右と同様に呼吸をする。
(4)左右のどちらが大きく胸式呼吸をしやすいかを確認する。
(5)呼吸がしやすい方向に顔を回した後、少しゆるめて、その位置で大きく口を開ける。呼吸は鼻から自然に行う。
(6)力まずに全開で5秒間キープし、口を閉じる。
(7)2回繰り返し、3度目は力まず全開で20秒間キープ。
(8)口を開けたまま顔を正面に戻す。
(9)事前チェックと同様、顔を左右に向けて試し、呼吸しやすさの左右差を確認する。差異があれば(5)〜(7)を繰り返す。
〈ステップ2〉
(10)前を向いたままで口を開き呼吸がしやすいほうに顔を傾け、口をゆっくり大きく開ける。呼吸は鼻から自然に行う。力まずに全開で5秒間キープし、口を閉じる。
(11)2回繰り返す。3度目は力まず全開で20秒間キープ。
(12)口を開けたまま顔を正面に戻す。
(13)顔を左右に傾けて、呼吸のしやすさの差異を確認する。差異があれば(10)〜(12)を繰り返す。
頭を回す、傾けるなどの動作をするとき、その動作をしやすいかの目安は、行っていて気持ちよく感じるかどうか。違和感がないか、気をつけてみよう。
また、力いっぱい口を開けると効果は期待できない。リラックスして無理せず取り組もう。
〈ステップ3〉
(14)正面を向いて口を大きく開ける。
(15)力まずに全開で5秒間キープし、口を閉じる。
(16)2回繰り返す。3度目は力まず全開で20秒間キープ。呼吸は鼻から自然に行う。20秒以上開け続けると筋肉が緊張し始めるため、最長で20秒程度。
この体操で、脳幹にある間脳が脳全体を活性化させる。それにより、呼吸のしやすさの左右差はなくなる。正面でのあくび動作をする前に左右差を確認し、できるだけ左右差をなくしてから、最後に仕上げで正面で行うと効果的だ。
「回しやすいほうに顔を向けたり、傾けた状態で口を開閉することで、筋肉や深部の筋膜がゆるみます。全身の筋膜がほぐれることで脳幹からホルモンが分泌され、全身にエネルギーが通るのです」
同時に全身の血流も促進されるようになる。
「アメリカの研究に『あくびは神経のストレスを最速で解消する方法のひとつであり、心配を減少させ幸福感に満たされる作用をもたらす』という報告があります。これまであくびは、脳に酸素を送り込んで脳の温度を下げる効果が知られていましたが、脳幹が働くと思考も静まり、あれこれ悩んだり、クヨクヨしなくなります。コロナ禍で鬱っぽくなっている人がライオンあくび体操を行うと前向きになれます」
【脳幹が活性化すると、12もの効果が!】
(1)体の重心が整う
(2)骨格や関節のゆがみが整う
(3)筋肉の緊張がゆるみ、無駄な力みがなくなる
(4)関節が柔軟に!
(5)内臓機能が活発に
(6)基礎体温が上がる
(7)熟睡できるようになる
(8)疲労感が消える
(9)食欲が適正化する
(10)精神面が安定する
(11)更年期障害が和らぐ
(12)冷え性が和らぐ
簡単にでき、しかも全行程3分程度。1日何度やってもいいし、誰がやってもいい。全身を緩める効果があるから、あくびが出やすくなる。就寝前にあおむけの姿勢で行うと入眠効果バツグンでぐっすり眠れる。
ゆるんでゆがみをとって心身共、健康な体を手に入れよう!