「仕事や家事を集中してこなしたあとは、リラックスして脳を休める。そしてまた集中する。これが効率的に脳を働かせるコツです」
そう話すのは、神経内科医の米山公啓先生。
「リラックスしたいときには、私はよくチョコレートなどの甘いものを食べます。なにより糖分(ブドウ糖)は、脳に直接届く栄養素ですから、チョコやあんこは適度な量を取ることで、疲れた脳を元気にしてくれるんです」
なかでも米山先生が愛用しているのはアーモンドチョコレート。
「糖分に加え、チョコレートに含まれるカカオポリフェノールには脳の血流量を増やす働きがあります。それにアーモンドに含まれる亜鉛などのミネラル分が脳を活性化。まさに脳にとっての高機能食品です。糖分は取りすぎてもよくないので、1回5粒と決めて、1~2時間置きに食べること」
手元に置くとどうしても続けて食べてしまうので、遠くに置き、そのつど、取りに行くとよいとか。
「カカオ70%以上のチョコレートのほうがカカオポリフェノールは多いには違いありませんが、どうもおいしくない(笑)。やはりおやつは脳が喜ぶようなおいしいもののほうがおすすめなので、市販の普通のアーモンドチョコレートがいちばんいいと思います」
米山先生の場合は、チョコと一緒にコーヒーを飲むことが多いという。
「コーヒーの香りというのはほどよく脳を刺激して、記憶力を活性化させます。私の場合は1日4~5杯は飲んでいますね」
朝、脳をきちんと刺激してすっきり目覚めさせるために身につけたいのが次の3つの習慣。
【1】ラジオ体操
【2】利き手と反対の手で歯ブラシを持って歯を磨く
【3】10分間、新聞か本を読む
「人は目が覚めてから本格的に脳が働きだすまでに3時間程度はかかるといわれています。そんな脳を早く目覚めさせるには、まずラジオ体操で体を動かし、不慣れなことをすることで脳を使い、そして文字を読むことで脳の血流を増やしてやることが大切です」
作家としても活躍する米山先生だが、最新刊の時代小説『看取り医 独庵』シリーズ(小学館)がベストセラーになっている。
「編集者のすすめで初めて時代小説にチャレンジしました。3作目を構想中なのですが、診療の合間や深夜しか執筆時間がないうえ、時代考証も本当にたいへん。いまは、このチャレンジがいちばんの脳トレになっていますね(笑)」