親指で皮膚をなぞるだけ!鍼灸師が勧める「8の字マッサージ」とは
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■上下左右がシンメトリーな8の字でバランスを整える

 

【基本的なやり方】

・痛みがある側の甲を反対側の手でマッサージする。
・力を入れず、親指でなでるように8の字を描く。左回りに10回ほどマッサージしたあと右回りに10回マッサージする。

 

基本的な8の字マッサージは、親指をメインに指を使って反射区に8の字を描く。このとき、マッサージは強く押すのではなく、該当する部分を優しく触れる程度になでるだけ。一方向に何度か行ったら逆方向にも行う。基本的には、痛みのある側の手に、たとえば腰の右側に痛みがあれば右手、左側にあれば左手の反射区をマッサージするとよい。

 

両手は太ももの上に置いて、テレビを見ながらなど、リラックスモードで「ながら作業」で行うと心もほぐれやすくなる。ハンドクリームやマッサージオイルなどを使ってもよい。

 

それにしてもなぜ「8」の字なのだろうか。

 

「8は上下左右がシンメトリーで非常にバランスがとれた形です。反射区に8の字にマッサージをすることで、全身のバランスが整えやすくなるという考え方なのです」

 

今回、腰痛、ひざ痛など中高年女性の多くが悩まされている症状への8の字マッサージを紹介しよう。

 

【腰痛】

自分では手の届かない腰へのマッサージは、手の甲にするのが便利。手の甲は全体的に背中~腰の反射区で、もちろん親指でもいいが、マッサージする範囲が広いので、人さし指、中指、薬指の3本を使ったほうが効果的。左回りに10回ほど行ったら逆回転の右回りに。

 

「皮膚の表面は、強く押したりもんだりするよりも、フェザータッチで軽く触れるほうが脳に刺激を与え、筋肉をリラックスさせる作用もあるようです。特に手の甲は手のひらに比べてモノに触れる頻度が低いのでより敏感です。優しく優しくマッサージしてみてください」

 

【ひざ痛】

ひざ痛には小指の第2関節を中心に8の字マッサージ。右ひざが痛ければ右手の小指に、ひざの内側が痛ければ、小指の内側、外側が痛いならば外側。少しずつずらしながら8の字を描くのもいい。

 

【首、肩が痛いとき】

首、肩の反射区は中指。第1関節あたりが首で、そこから下へいくと肩周辺。第1関節から指の付け根にかけて8の字を描く。手の甲側だけでなく側面もマッサージするとよい。

 

【股関節痛】

股関節の痛みには薬指と小指の手の甲の付け根の部分を優しくマッサージ。くるっと手を返して、手のひら側にも範囲を広げてやってみよう。

 

「8の字マッサージのよさは、副作用の心配もなく、どこででもすぐに安全にできることです。少し体のバランスが崩れたなというときや痛みがあるときは、手の甲を全身に見立てて優しくマッサージしてみてください」

 

簡単にできるので、痛みや不調があれば、早速実践してみよう。

 

【PROFILE】

松岡佳余子

アジアン・ハンドセラピー協会理事。鍼灸師。著書も多数

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