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「1日8回以上トイレに行く」「いつもなんだか残尿感がある」は、“膀胱の衰え”のサイン。60歳以上の約8割が抱えている尿の悩みを、簡単トレーニングで予防&改善しよう!

 

「コロナ禍の自粛生活や運動不足による筋力の低下が原因で、尿トラブルを起こすリスクが増加しています」

 

こう語るのは、順天堂大学医学部泌尿器外科学講座特任准教授の河野春奈先生だ。

 

くしゃみやせきをしたときにヒヤッとする、夜間トイレに起きてしまうなど、尿に関する悩みを抱える女性は少なくない。

 

「尿トラブルの主な症状は、尿漏れと頻尿です。日本排尿機能学会の調査では、60歳以上の約8割が何らかの尿トラブルを抱えていると報告されています」(河野先生・以下同)

 

次のチェックリストに1つでも当てはまるという人は要注意だ。

 

【“膀胱の老化”チェックリスト】

□ 1日に8回以上トイレに行く
□ 寝ている間に1回以上トイレに行く
□ 家事などで水に触れたり、水の音を聞くと尿意が湧く
□ 急にトイレに行きたくなり、駆け込むことがある
□ くしゃみやせきをしたときにヒヤッとしたことがある
□ トイレに行っても残尿感がある

 

そもそも尿漏れや頻尿はなぜ引き起こされるのか? その原因は大きく2つあるという。ひとつ目は「膀胱まわりの筋力の衰え」。

 

「膀胱は、尿をためておく臓器ですが、そのまわりの筋肉によって膀胱を水風船のように膨らませたり、縮めたりして排尿を調節しています。ところが加齢や運動不足によって筋力が低下すると、膀胱が膨らみにくくなり、ためられる尿の量が減ってしまうのです」

 

更年期以降はホルモンバランスの変化も大きく影響してくるそう。

 

「更年期や閉経を迎えると、筋肉や血管をしなやかにする働きがある女性ホルモン『エストロゲン』が減少し、膀胱が衰えるスピードが加速してしまいます」

 

もうひとつの原因が、「骨盤底筋の緩み」。

 

「膀胱や直腸などを骨盤の底でハンモックのように支えている筋肉を『骨盤底筋』といい、尿漏れを防ぐなどの重要な役割を担っています。本来、骨盤底筋は排尿や排便のときだけ緩むのですが、筋力が低下すると、つねに緩んでいる状態に。すると、おなかに少し力を入れただけで尿が漏れてしまうのです」

 

骨盤底筋は、排便時のいきみや内臓脂肪の重さによっても緩みが悪化するため、便秘や肥満の人も注意が必要だ。

 

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