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最近一気に冷え込んで、体が追いついていかないといった不調のほか、抜け毛や薄毛など“髪”のトラブルを訴える人が増えている。

 

「夏から秋は、抜け毛が増える季節。平均的な人で毎日80~100本は抜け毛があるといわれていますが、秋口に抜け毛が増えるのは、夏の疲れや紫外線によるダメージが体に現れてくることが考えられます。さらに、更年期世代の女性はホルモンバランスや生活習慣の乱れなど、さまざまな要因が重なってヘアサイクルが乱れます。新しい髪が生えるペースが追いつかないので薄毛になっていくのです」

 

そう説明するのは、クレアージュ エイジングケアクリニック総院長の浜中聡子先生。’99年に女性の発毛治療を開始し、延べ51万人の患者を診た薄毛治療の専門医。

 

薄毛のなかには、甲状腺の病気や子宮筋腫、卵巣囊腫など婦人科系の病気が隠れているケースもあり、最近ではコロナに感染した後の悩み相談が増えているという。

 

「原因はまだわかっていませんが、それだけ女性の頭皮にストレスがかかっているといえます。当院では病気が隠れていないか調べながら、薄毛の治療にかかります」(浜中先生・以下同)

 

女性の薄毛にはさまざまなタイプがあり、多いのは頭髪が広い範囲にわたって薄くなる「びまん性脱毛症」。このほか、加齢による女性ホルモン低下によって起こる「FAGA(女性男性型脱毛症)」は、頭部の生え際や頭頂部だけが薄くなる。「円形脱毛症」は、毛根にダメージが加わる自己免疫疾患。

 

さらに、髪をひとつに結ぶときの引っ張る刺激で起こる「牽引性脱毛症」、脂漏性湿疹などの皮膚のトラブルでも薄毛になる。

 

「『自分のタイプはこれだ』などと、勝手に判断して、間違ったお手入れをするとかえって症状を悪化させてしまうことがあるので気をつけましょう。抜け毛が気になったら、専門医を受診することをお勧めします。しっかりと治療を受ければ、状態を改善させ、加齢変化を遅らせることが可能です。もちろん、日常生活の習慣のなかにも、改善させるべきポイントがあることも。体の中から変えていくことで、治療効果もより安定するのです」

 

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