花粉症の人ではがんリスクが半減する可能性 東京大学特任教授が指摘
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■花粉症の治療は続けたほうがいい?

 

医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏も、花粉症の人にとっては明るいニュースだと語る。

 

「免疫のエラーで起こるがんと花粉症は異なる病気ですが、いずれも『免疫』が関与するという共通項があります。さらなる研究の必要はありますが、花粉に対して免疫が過剰に反応してしまう花粉症の方の体内では、がんへの防御反応が何らかの形で働くという可能性は考えられるでしょう。花粉症の症状に苦しむ人も悪いことばかりではない、といえそうです」

 

それでは、花粉症の治療をすることで過剰に反応する免疫力を抑えてしまうと、がんを抑える免疫監視機構の働きも抑制してしまうのだろうか。中川先生が解説する。

 

「免疫作用を強く抑えるステロイド剤などを投与すると、免疫力自体は低下してしまう可能性があります。そもそも免疫力が低下すると、がん以外にも感染症などさまざまな疾患にかかりやすくなるので注意は必要です。

 

しかし、がんと花粉の関係は解明されていない点も多いので、このために花粉症の治療を控える必要はないでしょう」

 

自分が花粉症であるという現実に落ち込んでいる人も、この研究結果で少しは前向きになれる!?

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