インフルの流行に警戒を(写真:PXITA) 画像を見る

例年よりも早くに流行し始めたインフルエンザ。厚生労働省の発表によれば、今シーズンはすでに感染者数が累計42万人を突破しており、昨年同時期の500倍以上だ。医療現場ではせき止め薬とたん切り薬が不足。7日には、武見敬三厚労相が先月に続き、製薬会社に増産を要請した。

 

「今冬を乗り越えるため、感染予防に力を入れましょう。日本人の80%が口呼吸といわれていますが、簡単な体操で鼻呼吸に切り替えることができ、そうすることでインフルエンザの感染リスクを下げることが期待できるのです。実際、口呼吸に比べ鼻呼吸の子供は、抗生剤の使用量が2.5倍も少なく、副鼻腔炎や中耳炎にもなりにくいというデータがあります」

 

こう語るのは、『免疫力を上げ自律神経を整える 舌トレ』(かんき出版)などの著書がある、みらいクリニック院長の今井一彰医師だ。

 

インフルエンザウイルスなどを含んだ冬の乾燥した空気は、風邪から体を守る最初の砦・鼻を通じて吸い込むことが大事だという。

 

「鼻の中の鼻毛、繊毛、粘膜によって空気中のゴミを取り除き、ウイルスをブロックしてくれます。また、口呼吸の場合は冷たい空気をそのまま肺に送り込んでしまいますが、鼻呼吸では、肺へ送られる前に空気は加湿され、温められます。さらに鼻呼吸は口呼吸に比べて、気管支の入口の湿度を20%ほど高めます。ウイルスは湿度に弱く、鼻呼吸で感染リスクが下がります」

 

つまり、鼻呼吸は空気清浄機のような役割をしてくれるのだ。ところが舌の筋力が落ちるなど、舌が正しい位置にないために、口呼吸の人が多いのが現状。

 

「コロナ禍で拍車がかかりました。しゃべらなくなることで舌が衰え、マスクでは息苦しくなって口呼吸が習慣化してしまうのです」

 

まず、舌が正しい位置にあるかチェックしてほしい。舌が上あごにべったりとくっついているのが正解だ。舌の場所が間違っていると、口呼吸になりやすいという。舌が下がっている“落ちベロ”によって、口唇が乾く、かむと疲れる、よくむせる、ほうれい線が深いなど、口呼吸のシグナルが現れるという。

 

このような不調が現れたら、舌を正しい位置に戻し、鼻呼吸に切り替えること。基本中の基本にあるのが、今井さんが考案した“あいうべ”体操だ。

 

「“あー”は口が丸くなるように開き、“いー”は口を真横に広げ、“うー”は唇をとがらせて、“べー”は舌を出して下方へ伸ばして発音します。朝・昼・晩と10回ずつ、計30回から始めてみましょう。舌の筋肉が鍛えられると、自然と口が閉じられ、鼻呼吸に」

 

さらにマスク生活が続くなか、電車の移動中などでも可能な体操が歯茎をなぞるベロ回しとベロワイパーを組み合わせたエクササイズ“ベロブートキャンプ”だ。

 

「ベロ回しは、口を閉じ、歯と唇の間に舌を入れて、ぐるぐると右に10回、左に10回歯ぐきをなぞります。ベロワイパーは口を閉じ、舌の先端を上あごに沿って、のどちんこのほう(軟口蓋といわれる柔らかい部分)まで反らし、ワイパーのように左右に振って10往復します。最初はきついですが、慣れたら回数を増やしてみましょう」

 

早い人なら2週間ほどで、鼻づまりがひどい人でも2〜3カ月ほどで舌を正しい位置に戻し、鼻呼吸に切り替えられるという。

 

「先日も『舌の体操を始めて10年以上風邪をひいていません』というお便りをいただいたところです」

 

薬に頼らずにインフルエンザを予防するためには、免疫力を高めるビタミンCやタンパク質、粘膜を強化するビタミンA摂取が求められている。今井先生がおすすめするのはしょうが紅茶だ。紅茶に含まれたポリフェノールには15秒ほどでインフルエンザウイルスを無力化させる効果があるという研究結果もある。またしょうがは体を温め、ジンゲロールという成分には殺菌作用があるといわれる。

 

「普通のティーバッグの紅茶に、チューブ入りのしょうがを1cmほど入れるだけです」

 

ベロブートキャンプとしょうが紅茶で、インフルに打ち勝とう。

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