この冬は年末からインフルエンザが猛威を振るっており、これまでに700万人以上が感染しているという報告が出ている。いまだ流行警戒レベルを超えている都道府県もあり、寒さも続いているから、引き続き注意が必要だ。
「昨年はインフルエンザに加えて、マイコプラズマ肺炎、新型コロナウイルスなど複数種の感染症が次々と拡大した年でした。
ここまで感染症が広がった理由に、コロナ禍で厳しかった感染症対策が緩和されたことや、外国人観光客が増えて世界中からウイルスが入りやすくなったことなどが挙げられます」
こう話すのは、感染症に詳しいいとう王子神谷内科外科クリニックの院長・伊藤博道先生だ。
旅行業者JTBの報告では、2024年の1~11月の訪日客数は、前年同期比で149.5%と大幅増加の約3338万人。2025年の訪日客数はさらに4020万人にまで増える見込みだ。
「1月28日からは中国の旧正月『春節』、4月以降は大阪・関西万博が開催され、中国をはじめとする海外からの渡航者が増えると、当然、感染症の“輸入”も予想されます」(伊藤先生、以下同)
昨年夏から半年以上にわたって流行したマイコプラズマ肺炎も“輸入感染症”のひとつだったと伊藤先生は指摘する。
「マイコプラズマ肺炎は日本で、はやり始める10カ月ほど前に中国で大流行していました。
そのときから、『日本でもはやるのでは?』と懸念していたら、約半年のタイムラグをおいて昨年6月あたりから感染者が増え始めたのです」
