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「『悩み』が自律神経のバランスを崩すことに大きく関わっていることを研究している私にとって、大変興味深い調査結果がありました。それは『幸福度が死亡リスクと直接的な関係がない』というもの。幸福だと感じている人ほど長生きし、不幸だと感じている人ほど短命だと思っていた方もいるでしょうが、そんな“思い込み”を覆す調査を行ったのは、豪ニューサウスウェルズ大学のリュウ准教授のグループです」

 

そう話すのは、順天堂大学医学部教授で自律神経研究の第一人者・小林弘幸先生。リュウ准教授は、72万人以上の英国人女性を約10年にわたって調査した。調査方法は、まず質問票を用いて「幸福度」を自己評価。その後の追跡調査で「幸せ」と感じている女性と「不幸」と感じている女性との間には、死亡リスクに差がないことが明らかになったという。

 

「人は誰しも、悩みや不幸だと感じることがあります。しかし、そのときの気の持ちようが大事です。不幸な気持ち、悩みやストレスがあると、それを紛らわすためにたばこや飲酒、暴飲暴食など健康を害する悪習慣に走ってしまう可能性もあります。そこで私はマイナスの感情をいかにコントロールして健康を害する行動に走らないようにすることが大事だと考えます。調査で不幸と感じている人も、感情のコントロールをしていたのでしょう。私が接してきたアスリートも、超一流になるほど、悩みに対して、真摯に向き合っているようです。言い換えれば『悩み方』がとても上手なのです」

 

そんな、一流アスリートの上手な「悩み方」を小林先生が紹介。

 

(1)悩みを大・中・小に分ける

(2)悩みを書きだす

(3)時間を決めて悩む

 

悩みやマイナス思考が、試合で自分のパフォーマンスに影響があることを知っている一流アスリートたちは、どんな悩みからも、目を背けないという。

 

「『悩み方』のコツは、何か問題が発生したときに、それが自分にとって重要度が大きいかどうかを、まずは判断することです。また、その悩みの内容を具体的に書きだし、問題点や解決法を探っていくことも重要。さらには、ダラダラと悩むのではなく、期限を決めることです。たとえば1日、3日と期限を設定して、その間はとことん向き合う。そして、そこで導かれた答えを信じて突き進んでいく人は、その後の人生もうまくいっているようです」

 

悩むことは生きること。とことん悩み抜いて、幸せをゲットしよう!

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