image

連日大勢の観光客が訪れる築地。だが、ガイドブックが紹介するのはそのごく一部。閉場が延期になったいまこそ、“裏通り”まで堪能してみたい。そこで、市場関係者がおススメする「築地“裏通り”面白スポット」を紹介!

 

■魚の“売り方”も学べる図書館

 

築地の知の宝庫といわれるのが「銀鱗文庫」。市場内にある唯一の文化施設(!?)といわれる図書館だ。仲卸人たちによる文化団体「銀鱗会」が’61年に造ったもので一般公開されている。広さ15坪の小さな図書館だが、築地の歴史がたくさん詰まっている。

 

「魚や市場にまつわる書籍や歴史資料、文献など1,000点近くの所蔵品が収められています。魚のセールストークを仕入れに来る市場の人、情報収集に立ち寄る産地の方や水産関係の学生が来ます」(築地市場の文化団体「築地魚市場銀鱗会」事務局長・福地享子さん)

 

■日本初の“洋風ホテル”跡

 

築地には1867年に江戸幕府が建設した外国人専用の「築地ホテル館」があった。瓦屋根になまこ壁の和洋折衷の様式が外国人を魅了。とりわけ食事の評判はよかったとか。5年後に大火により消失。その跡地の近くでは、生のマグロのセリ場があり、いまも外国人観光客が感嘆の声を上げている。

 

■“移転トラブル”は築地の守り神のタタリなのか?

 

市場に隣接する波除稲荷神社は“波除さま”と親しまれる。境内には活魚、エビ、アナゴなどの魚供養の塚があり真剣な表情で祈願している市場関係者を見かけることも。また、魚がし横丁の近くにある、小さな鳥居と祠が市場の守護神「魚河岸水神社」遥拝所。市場で働く人たちは“水神さま”といって大切にあがめている。豊洲移転で“水神さま”も引っ越しの準備に入ったが、そのとたんに地下空間問題が発覚。「水神さまのタタリか!?」と河岸衆たちに動揺が広がっているという。

 

■地下に眠る“放射能マグロ”

 

’54年3月、アメリカがビキニ環礁でおこなった水爆実験により「死の灰」を浴びたマグロ2トンが築地に。“放射能マグロ”は市場にあった野球グラウンドに埋められた。地下鉄の工事の際、埋めた地点を調査したが放射能汚染は確認できなかった。「知らない顔して売っちゃったんじゃないの?」という関係者も。

 

■自生した赤とうがらしの謎!

 

青果仲卸業者売場近く、トラックが行き交う舗装路に生えている“ど根性赤とうがらし”。集荷した商品がこぼれ落ち、スクスクと成長していったらしい。赤とうがらしは、中国産で、試食した関係者によると「肉厚でおいしかった」という。いずれ“築地産赤とうがらし”が売られるかもしれない!?

関連カテゴリー:
関連タグ: