「夫婦」になった瞬間、ほぼ100%ついてくる「嫁姑」を含めた“四すくみ”の因縁−−。その微妙なパワーバランスを一気に破壊しかねない“禁句”について、本誌は100人アンケートを敢行。その中から「夫婦」の禁句を、精神科医・香山リカさん、漫画家・やくみつるさん、男女問題研究家・山崎世美子さんの、3賢人の解説付きで紹介!
■夫から妻への禁句
「『外出が多いね』(妻・62歳)というワンフレーズに集約された深遠なバックボーンといいますかね、“じゃあ、妻は何をしているんだ?”という疑心暗鬼にかられた夫でしょうね。この妻は後ろめたいことがないから“イラッ”ときたと思うんですが、そういう目でパートナーを見てしまうというところに亀裂を見る気がします。ただ、亭主が心配するほど奥さん、モテてないと思いますがね(笑)。それから、見当違いという意味では『仕事で疲れたと愚痴る私に“しょせんパートだろ”』(妻・53歳)というのもひどい。妻からすれば“あなたの収入だけではやっていけないから、パートに出ているのに……”という思いがあるはず。こんな禁句を発する夫は、本当に大切な人が誰なのか、わかっていないんでしょう」(やくさん)
「『毎日休みでいいよな〜』(妻・38歳)、『俺は働いていて、疲れている』(妻・55歳)、『ここ、汚れてる!』(妻・51歳)、『嫁だったら、当たり前』(妻・36歳)などという言葉の数々は、妻の立場を軽んじています。『俺の金だ!』(妻・37歳)もそうですが、“養ってやってる”感が強く、“家財は夫婦の共有財産”ということに納得していない夫ですね。おそらく妻に“ありがとう”も言えない残念な男でしょう」(山崎さん)
■妻から夫への禁句
「夫が自分なりに一生懸命やっているのに、妻に理解してもらっていなくて、さらに『安月給!』(夫・49歳)なんて言われるなんて、モラハラですよね……。妻は義母からキツく言われるぶんを、夫に対してブツけているのかも。私がカウンセリングなどで男性から聞く話として、“いまは女性が男性と同等に活躍する時代だから、夫も家事をすべきだという世の中の雰囲気はわかる。けれど、仕事で疲れ果て、夜中に帰ってからの家事は、実際問題として難しいんです”と……。そうして見てみると、『夜遅く帰ってご飯を食べたら、翌朝、“何で洗っておいてくれないの”と……』(夫・44歳)などと言われたりしたら、男性もつらいですよね」(香山さん)
「日本の場合、財布のヒモを握っているのはほとんど妻。夫は会社員の人が多く、お小遣いは、たいてい月3万〜5万円です。そういうお金に関する不満が出ていますね。『使えない……』(夫・50歳)、『なんでこんなこともできないの!』(夫・56歳)と、最近の嫁は義母に対してもそうですが、夫のことも小馬鹿にするケースが増えている。男の存在を全否定してますから。こういうことを言われると、妻のことが嫌になるというより、殺意に近い(笑)憎しみを持つようになるから注意しましょうね」(山崎さん)