「携帯電話の料金を節約する奥の手は、『MNP』と呼ばれる番号持ち運び制度を利用して、別の携帯電話会社に乗り換える方法です」

 

こうアドバイスするのは、携帯電話業界に詳しいITジャーナリストの三上洋さんだ。いまや家族全員が携帯電話を持ち、家計への影響も大きいが、節約したいと思いつつ、プランの内容が複雑で、つい後回しに……。そんな人のために「とにかく携帯電話を安く使う」ことだけを求めた方法を、三上さんに教えてもらった。

 

スマホの場合、「ガラケー」と呼ばれる従来の携帯電話より、通話料とパケット通信料が高くなる。そこで料金の安さだけを重視するなら、スマホという選択肢はナシ、ガラケーを迷わず選ぶべし。

 

まず、機種購入代金。一般的に機種本体の代金は24カ月の分割で、月々の料金に加算されている。携帯電話各社は、その負担を軽くするために、機種に応じた割引サービスを行っている。このサービスの額が大きくなり、購入代金と同じになると、携帯電話の本体が「実質ゼロ円」の状態になる。

 

「中には『一括ゼロ円』と呼ばれる機種もあります。これは、機種の購入代が無料。そのうえで、割引サービスが受けられるというもの。古い携帯を使い続けるよりも、かえってお得になるんです」(三上さん)

 

ただし、この「一括ゼロ円」機種を契約するには、ほとんどの場合、別の携帯会社へ乗り換えるのが条件。そこで、今までと同じ番号を使用するためには「MNP」の手続きが必要となる。利用している携帯電話会社に電話して申し込み、MNP予約番号をもらうだけだ。

 

そして印鑑、本人確認ができるもの(免許書など)を持って、携帯電話会社各社のものを扱っている「併売店」へ。このとき、お店によっていろいろ条件付きとなっている場合も。「iPadなどと同時契約」や「今まで使っていた携帯電話を新規回線として契約する」といったことをすすめられたら、きちんと断り、ほかのお店を当たる。

 

こうした新規の契約のほか、携帯電話向けの動画サービスなど有料オプションに加入することが条件となることもあるが、そのときはそのまま契約し、「お店を出たらすぐ解約しましょう。方法がわからなければ、翌日オフィシャルショップへ」(三上さん)

 

機種を手に入れたら、通話料をチェック。現在、契約している料金プランを確認しておこう。NTTドコモとauでは、基本料金が高くなるほど、通話料が安くなり、無料通話料分も多くなる。しかし、NTTドコモの場合は、電話1本でその日のうちにプランを変更でき、日割りで計算されるので、通話する機会が多くなると思ったらプラン変更を。

 

「一括ゼロ円」の機種を手に入れ、通信料を最安のものにして、パケット通信料は使い過ぎない。こうすれば、携帯電話は格安になるのだ。さらに、三上さんはこう言う。

 

「本当に安く使いたいなら、2年ごとに携帯会社を乗り換えるべき。以前は、家族で同じ携帯会社にしておけば通話やメールが無料など、割安になりました。でも今は、それをやめて別会社に乗り換えてしまったほうが、節約の度合いは大きいんです」

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