「食費と日用品代(以下まとめて食費と表示)を1日2,000円にするなんて、絶対に無理と思いました。ところがクリアファイルに2,000円ずつ入れてみたらできたんです」
こう話すのは、緒方朋美さん(仮名・46)。夫と子ども2人世帯で夫婦合わせて月収40万円。これまで月の食費は15万円程度だった。1日にすると5,000円。これを1日2,000円に絞ることでなんと月に9万円の節約を達成。昨年1年間で100万円の貯金ができた。
それを実現させたのが、いちのせかつみ先生発案の「クリアファイル家計簿」だ。いちのせ先生は30年以上のキャリアをもつファイナンシャルプランナー。これまでにのべ3,000人以上の家計簿診断を行ってきた。
「結局、お金をためるということは財布からお金を出させないことなんです。たまらない人は全方位に数多く、必要以上のものを買っている。これを正すには、限られた現金だけを使って生活することがいちばん早くて効果的。そこでとりあえず、食費を強制的に1日現金2,000円だけでやりくりするようにしたのが、この家計簿です」(いちのせ先生・以下同)
「クリアファイル」と名前がついているが、実際に使用するのは20枚綴り程度のクリアブック。最初にコピー用紙を16枚用意。表裏に1日〜31日までの日付を書いて、クリアファイルの各ページに1枚ずつ入れる。6万円(便宜上30日ある月として)を千円札で用意し、2,000円ずつ各ページに差し込む。これで準備は完了。
「いままで1日いくら使っていても、4人家族でも単身者でも、金額は2,000円にしてください。毎日ファイルから現金を出し、これだけ財布に入れて買い物すること。やってみればできることは、これまで実践した多くの主婦が証明しています」
もし毎日、食費を2,000円で賄うと月額は6万円。平均的な家庭では月の食費は10万円前後というから、これだけで月4万円。年間50万円がたまる計算だ。つまり「クリアファイル家計簿」とは、実行したら、即節約ができ、お金がたまること必至、まさに魔法の家計簿なのだ。
しかし、そんなに簡単に1日2,000円の現金でやっていけるものなのか?
「収入の多い少ないにかかわらず、お金がたまらない人はたまりません。なぜかといえば無駄なものを買いすぎているんです。とくに危険なのが、(1)特売品や5割引きシールでいらないものを買ってしまう。(2)外出帰りにコンビニに寄る。(3)用事もないのにカフェに入ってお茶をする。まずこれをきっぱりやめる。そしてもし1日の買い物が2,000円以下だったら、余ったお金はファイルに戻して、ひと月分ためたところで自由に使っていい。このご褒美があるからがんばれる、という主婦も多い」
つまり1日を2,000円でやりくりすることは、金銭感覚を節約モードに切り替えるトレーニングのようなもの。だからとにかく、クリアファイルにある現金2,000円だけでやりくりすることが肝心。自分に負けてカード払いにしたり、次の日の2,000円に手を付けては絶対にダメ。実践すれば、自然と無駄遣いがやめられる「クリアファイル家計簿」を試してみてはいかが?