ますます長くなるペットの寿命。それはうれしいことだけど、愛犬の介護のために仕事を休んだり、辞める人もいるのが現実。犬も老いると頑固に、言うことを聞かなくなる。6〜7歳ころから出る老化のサインを見過ごさず、早めに対応することで健康寿命を延ばそう。
そこで、「愛犬の老化チェックリスト10」を紹介。教えてくれたのは、うえの動物病院院長の上野泰照先生だ。
【1】白髪&イボができる
犬も加齢とともに被毛全体が白っぽく、薄くなり、皮膚の表面にイボができてくる。イボはほとんどが良性だが、悪性のものもあるので、発見したらまずは獣医師に相談を。
【2】目が白くなる/悪くなる
目が白くなるのは白内障などの眼病の可能性大。視力が落ちるとけがをしやすくなるので要注意。視力が悪くなってきたら、けがをしないよう家具などの角にガードを置くとよい。段ボールや100円ショップで売っているクッションでもOK。
【3】体重が増減する
基礎代謝が低下し、若いときと同じ食事量でも肥満傾向になりやすい。また、逆に消化機能が低下して痩せてくる場合もある。また、病気が原因で肥満になる犬もいるので、獣医師に相談しながら食事を見直し、散歩の回数を増やすなどでダイエットを。
【4】散歩に行きたがらない
行ってもすぐに帰りたがったり、息切れしたりして歩けなくなることも。少しでも寝たきりになるのを防ぐために、体が動くうちは室内でかくれんぼをしたり、お菓子探しをしたり、かんたんなボールキャッチをしたりと、室内で体を動かすことを習慣化しよう。
【5】お尻を振って歩く/歩幅が狭くなる
背骨や体幹(腰)が悪くなったり、椎間板疾患、股間節の問題が出てきている証拠。足をかばうように歩くことも。その症状がでたら、すぐに獣医師に相談すること。
【6】寝る時間が長くなる/夜中に起きる
ホルモンの分泌量の変化などにより寝ている時間が増え、その結果、生活リズムが崩れがちに。睡眠時間が長くなったら、体に負担がかからないように、低反発のクッションなどを取り入れて、愛犬が寝やすい環境を整えてあげて。
【7】名前を呼んでも反応しなくなる
耳が悪くなっている可能性がある。犬の老化はまず視覚機能、次に聴力機能が低下。聴力が落ちると認知症を発症しやすい。そうなった場合、根気よい声掛けに加えてテレビやラジオをつけておくことも、聴力への刺激になる。音でも刺激を続け、認知機能の低下を少しでも防ごう。
【8】口が臭くなる/くしゃみが増える
歯周病の症状。口腔内の細菌が増えて唾液が減るため、歯石が増えて歯周病になりやすい。歯周病から大きな病気に発展することも。歯周病予防は、第一に歯みがき。シニアになる前から犬用歯ブラシと犬用歯磨きペーストで、歯周ポケットにたまった歯垢を取る習慣をつけよう。
【9】排泄を失敗する
膀胱に尿をためておく筋力が衰えると排尿の失敗をしやすい。加齢に伴い、腎機能が低下するので尿量そのものも増えがち。ただし、必ずしも排泄の失敗=老化ではない。高齢犬の場合は前立腺肥大や慢性腎不全などの病気を発症していることもある。急に失敗が続くようになったら、獣医師に相談すること。
【10】夜鳴き/食事の催促/ぐるぐる歩き回る
認知症の症状。無駄ぼえが増える、壁に頭をぶつけ続けるなどの症状も。進行を遅らせるためにも日ごろから散歩や室内トレーニング、話しかける、体に触れる、マッサージを行うなどの刺激を。夜鳴きが治まらなければ獣医師に相談しよう。
できるかぎり愛犬の健康寿命を延ばすために、老化のサインを見逃さず、今からできることをすぐ始めよう!