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本誌「ねこ相談」でおなじみ、東京都江東区にある「東京猫医療センター」院長の服部幸先生。今週は、服部先生が初めて飼い、15年ほど一緒に暮らしたねこ「うにゃちゃん」(メス)についてご紹介。

 

子供のころから動物が好きだったものの、特別に「ねこ好き」というわけではなかったようで、むかし飼っていたのはカメやイグアナ。ところが、大学に通っていたころ、近所のコンビニエンスストアで母ねこが出産し、子ねこを1匹ずつくわえて、引っ越しする姿を目撃。見守っていると、1匹だけちょこんと取り残されてしまった。

 

「母ねこに捨てられてしまったのか、何かアクシデントがあったのか、理由はわかりません。生後2週間くらいで目は開いていましたが、まだ乳飲み子。このまま置いておいても1匹では生きていけないですから、自分が保護して、飼うしかありませんでした」

 

幸い、獣医学部に通う学生が多く住む地域だったため、先生の家もペット可の物件だった。

 

「壁はボロボロになりましたけど、ねことの生活はそういうもの。大変だと思ったことはなかったです、うにゃは、すごく気分がいいときだけ膝に乗ってきて、僕が触ろうとすると逃げちゃう(笑)。いい距離感で暮らしていました。でも、僕がお風呂に入っている間、ずっと浴槽の縁にいたことも」

 

学生時代から服部先生と暮らしてきたうにゃちゃんは、15歳でがんを患い’15年に他界してしまう。

 

「そういう年齢なんだと病気を受け入れて、最期は病院で。診察が終わるのを待っていてくれたようで、看取ることができました。いまもわが家にはねこがいますが、これからどんな別れがあっても、僕はずっとねこのいる暮らしをすると思います」

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