タンスの奥のほうにしまわれていたり、書棚のハードカバーの本に挟まれていたりする、主婦の“へそくり”。今やそのヒミツのお金は従来のイメージの枠を超え、女性たちが“老後にもしものことがあっても困らないため”に築く一大資産に!
そんな、貯めることにいそしむようになった女性の“へそくり奮闘記”を紹介。題して、「実録・私が“こっそり&ガッツリ”貯めたワケ」。
【夫の浮気を機に、“備え”を開始】A子さん・62歳・へそくり額=1,000万円
「うちは子どもがいないので、夫(68)とはペットを通しての会話くらいしかなくて。この先、ペットがいなくなってしまったらどうしよう……」と、ため息をつくA子さん。
夫と結婚して35年がたつが、趣味が合わずすれ違う日々。A子さんは60歳まで働いていたので、給料や退職金を自分名義の口座に入れ、コツコツ貯めたへそくりはじつに1,000万円! それとはべつに夫婦共有のお金が3,000〜5,000万円はある。自宅の所有権はA子さんのものだ。
「夫は金銭感覚がズレていて、とんでもないものを突然買ってくる。この間も数十万円もする車のホイールが通販で届いたばかり」と、怒り心頭。
もう愛情がないので嫌なところしか目につかないというが、夫が離婚に消極的だそう。不仲の原因は若いころの夫の浮気。そのときは離婚に至らなかったが、へそくりを始めたのもそのころだという。
「最後に守ってくれるのは、自分が管理した自分のお金です」(A子さん)
【手を付けていない親の遺産が頼り】B子さん・66歳・へそくり額=2,000万円
30代の息子の結婚が決まって、夫婦2人だけの生活が始まるという専業主婦のB子さんも、手元に十分なお金を確保し、熟年離婚をひそかに考えている1人。離婚した後、ひとりで生きていくための準備に余念がないという。
「実父が他界したとき、相続でもらったお金にいっさい手を付けないで、そのまま自分名義の口座に寝かせてあるんです。夫(70)はもともと口数が少ない人なんですが、20年前に病気で倒れてからさらに無口になった。食事を作るなど身の回りの世話をしても『ありがとう』のひと言もありません。それどころか年々怒りっぽくなって頑固になってきて。息子が結婚したら、とりあえず別居したい」(B子さん)
じつは夫が病いに倒れたときに、夫が借金を隠していたことが発覚。夫の親と返済したが、「そもそも世帯の財産は全部自分が稼いだお金だから」と、夫は言い訳をしたうえ、“妻子を食わせているのはオレ”と、いつも上から目線だったとか。
月々の生活費から少しずつ抜いて貯めたわけではないが、“臨時収入”はそのままへそくりに回すチャンスだった。