年々、売り場が拡大している女性用手帳コーナー。スケジュールを管理するだけでなく、自由に書き込めるタイプが今のトレンドだ。感情を吐き出し、夢をつづる先に開ける人生とは?
「育児を絵日記に描くことで運気が上がり、本当に人生が変わりました」とほほ笑むのは、WEB女性自身の「まめ日和」連載が人気のイラストレーター・横峰沙弥香さん。
「’15年に息子を出産する前後は、『病院にちゃんとデータを出さなきゃ!』と思い詰めて、体調管理や授乳の記録を細かく書いていたんです。それが苦しくて、疲弊してしまって。そんなとき、ふと、息子の様子を絵にしてみると――記録って、これでいいじゃん! と思えたんです。ソフトを使って絵を描くことが多くなっていたので、腕もなまっていることに気づいて(笑)。1日1トピック、絵日記を描くことにしました」(横峰さん・以下同)
インスタグラムに投稿を始めると、やんちゃでかわいい、モヒカン頭の“まめちゃん”が大人気となり、書籍化やウェブ連載が決定。企業とのタイアップ企画まで舞い込み、一気にブレイクを果たした。現在、そのフォロワー数は31万6,000人を誇る。「絵日記がなければ、今の私はいない」と横峰さん。
「朝はパパに子どもをまかせて、私は絵日記を描くことから1日をスタートさせます。夜だと、家事や育児を引きずっていることが多く、不安なことも書きそうになるから。でも、目覚めて最初に前日を振り返ると、『大変な中にもこんな楽しいことがあったな』と、できごとを多角的に感じて描ける。そして、気分よく1日を始められます。子どもが成長したときに『お母さん、楽しんで育てていたのよ』と、親子で見返したいですね」
夜は夜で手帳に向かい、翌日のTO DOリストをつづるという。
「明日に向けて『小さな目標5つ』をノートに書きます。“ちょっとがんばればできるけど、面倒くさい”ようなこと。ダメでもダメージにならないこと。達成したら自分をほめてあげます。自分を責めるクセのある私にとって、書くことは心の安定剤であり、モチベーションにもなっているんです」
モヤモヤした気分のときは、コピー用紙に気持ちを書きなぐる。
「手が止まるまで書き続けたら、“お焚き上げ”して(燃やして)残しません。紙は人にしゃべらないのもいい(笑)。書くことは、誰にでもできること。それで人生が変われば、もうけものですよね」