2月7日に明らかになった、賃貸アパート大手「レオパレス21」の相次ぐ施工不良問題。これまでも同社は施工不良物件の存在を明言していたが、同日、新たに33都府県にある1,324棟の物件で壁や天井などに施工不良があることが報告された。住民からは、「隣人の物音で眠ることができない」という悲鳴が相次いでいた――。
「しかし、レオパレス問題はあくまで氷山の一角。知らないうちに“不良賃貸物件”を押し付けてくる不動産業者や、不正を働く引越し業者はまだまだいます」(不動産関係者)
新生活に向けて、物件選びや引越し業者との打ち合わせを進めている人も多いはず。せっかくの引越しに、そんな“不良引越し業者”をつかまされたら、たまったものではない……。
そこで、引越し業者で失敗しないための知恵を取材するため、お笑い芸人のたかくら引越センターのもとを訪れた。たかくら引越センターは、大手引越し会社でアルバイトの経験から先輩芸人の引っ越しを手伝っていたところ、「ピアノ以外は1人で運べる」とテレビやSNSで評判に。一般人からの依頼も舞い込むようになり「たかくら引越センター」という会社を’12年に立ち上げた。
たかくら引越センターは、5つの“NG引越し業者の特徴”を挙げる。
【1】見積書作成に1週間以上かかる
「今は繁忙期の真っ最中ではありますが、ふつうの引越し業者であれば、2~3日で見積書を作成できると思います。1週間以上かかるところはふだんの業績もいいかげんに行っていたり、圧倒的に人手が足りてないと判断しましょう」(たかくら引越センター・以下同)
【2】見積書の内訳を書かない
「見積書は、『基礎運賃』『人件費』『オプション料金』など、内訳を細かく書いてもらうようにしてください。そうでないと、引っ越し当日に『その業務は見積もりには入っていません』と、追加料金を請求される可能性があります。また、見積書にキャンセル料の記載があると思いますが、引越し日から1週間より前にキャンセルすれば料金がかかることはありません。請求してくるようなところは“違法業者”です!」
【3】契約前に、梱包用段ボールを置いていく
「別の会社と契約した場合、自費で段ボールを郵送するよう要求されることがあります。しかし、そういったことでお金を請求する行為は『標準引越運送約款』で禁止されています。お金をかける義務はお客さまにはないので、きっぱり断って着払いで送ってください」
【4】トラックのナンバープレートが白い
「さて、引っ越し当日、業者はトラックで来ることになりますが、まずはナンバープレートをチェックしましょう。プレートの色は、緑か黒が一般的。プレートが白い場合は、違法業者を疑ってください。値段は安いかもしれませんが、違法業者は保険に入っていないため、破損などのトラブルがあっても保証してもらえません。契約の段階で、当日使用するトラックの写真などを、業者に見せてもらうのがよいと思います」
【5】トラックの中が整理されていない
「トラックの中が散らかっている場合は要注意。そういう業者は作業員にも雑な人が多く、家具などもぞんざいに扱われてしまう可能性があります。最悪な人だと、トラック内に運ぶとき段ボールを蹴ったりする者もいるので、『くれぐれも慎重に運んでください』とちょくちょく声をかけるようにしましょう」