「学生時代の仲間で久々に集まって飲みに行こうという話になったんですが、来る人はみんな私より年下。『ワリカンにして』なんて言えないけど、このままだと私が1万円以上も払うことに……」(50代主婦・Aさん)
4月は公私ともに出会いが増える。ランチや食事会などの予定をスケジュール帳に書き込むたびに、「いくらかかるんだろう」と不安に思うことも多いはず。
「人付き合いにかかる出費を少しでも抑えたいのであれば、『行くべきイベント』と『そうでないイベント』に分け、後者の誘いはキッパリ断る必要があります。人付き合いにかけるお金を“将来への投資”と考えてみると、Aさんの場合、“ムダな出費”になる可能性が高いかもしれません」
こう語るのは経済評論家の加谷珪一さん。人付き合いは、自分の中で優先順位をつけることが大事だと話す。
「基準になるのは、自分や家族にとってプラスになるかどうか。誘われた食事に参加することで何か頼みを聞いてもらえたり、今後の人間関係を築いていくきっかけを作ることができれば、よい出費と言えるでしょう。その優先順位は、人とイベントに分けて考えることで“見える化”することができます」
優先すべき人付き合いを判定する点数のつけ方は次のとおり。加谷さんの解説を参考に、実際にそれぞれのカテゴリーに自分で書き込んでみよう。
【人カテゴリー】
□自分や夫の職場の関係者、PTA、ご近所など〔5点〕
□同級生、ママ友、仲のよい同僚など〔3点〕
□自分の環境で後輩にあたる人物、年下のママ友など〔2点〕
「今後も関わっていく必要がある職場やPTAなどの公的関係が高い点数となります。次によく連絡を取る同級生や同僚など、そして年下の知人の順に点数をつけていきます」
【イベントカテゴリー】
□食事会〔2点〕
□ランチ〔5点〕
□パーティ〔4点〕
□冠婚葬祭〔3点〕
「ランチ→パーティ→食事会の順で点数が下がっていきます。少人数でのランチは時間もお金もそこまでかからないうえに、コミュニケーション効果はとても大きい。ホームパーティなどは、手間はかかりますが、より深い人間関係を築くには最適の場所です。いっぽう、夜の食事会は、時間とお金を費やしすぎてしまう場合がほとんどですし、お酒が入った場合は、ランチに比べて建設的な会話は見込めません」
カテゴリーごとに点数をつけたら、「人」と「イベント」を掛け合わせていく(例:ママ友〔3点〕とのランチ〔5点〕は3×5=15点)。ただし、冠婚葬祭はお金の損得だけで切り捨てられないため、例外的に全て同じ点数(3×5=15点)をつける。
「もっともお金をかけるべきイベントは“職場関係者とのランチ”(5×5=25点)です。優先度が高い人としっかりコミュニケーションを取ることができる場ですから、損することはありません」
反対に、最も点数が低いのは、冒頭のAさんのような「年下の友人との食事会」(2×2=4点)。
「これこそが“やめるべき人付き合い”。自分の出費がほかと比べて多いうえに、職場やPTAなどの関係者や、同級生と比べてメリットが少ない。愚痴を聞かされただけ、なんて経験もあるのではないでしょうか。『ワリカンにして』と出費を抑えたとしても、年下からすると“期待はずれ”感は否めません。今後、よい関係を築くことは難しいでしょう」