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<初春の令月にして、気淑く風和ぎ――>

 

新元号「令和」は、日本最古の歌集『万葉集』の「梅花の宴」の漢文で書かれた序文から採用された。『万葉集』に詳しい上野誠・奈良大学教授が解説する。

 

「よい月に天気がよく、風が柔らかに頬をなでるような、なんともよい日に親しい友と宴をする――。730年正月13日、九州・太宰府で『万葉集』の編纂者の1人、大伴家持の父である大伴旅人の邸宅で催された梅の花見の宴。そこに集まった32人の歌人が、当時は中国からの外来植物だった梅の木を囲んで和歌を詠み合いました」

 

新元号には深い意味が込められていると上野先生が続ける。

 

「新しい時代は、金や名誉ではなく、よきときに、よき友と宴を共にするような穏やかなひとときが人間にとって幸せであってほしいという、考案した方の願いがあると考えています。『令和』には、この2文字を選んだ方の平和を希求する心が表れているのです」

 

5月1日から令和元年が始まる。手紙で、書類で……。これから何百回と書くことになるかもしれない「令和」。せっかくだから、美しく書きたいところだ。

 

そこで筆跡仕事人・芳田マサヒロさんに、きれいに見えて、運気が上がる書き方を伝授してもらった。

 

「令をそのまま書いてもいいし、人(部首の「ひとやね」)の下に点を打ち「マ」と書いてもいいんですが、私はその中間くらいで書くことをおすすめしています。まずはきれいに書くコツですが、『令』の場合は、『人』の部分である1画、2画(書き順・以下同)をややずらし、90度くらいの角度で書けば、文字に安定感が出ます。『和』の場合、『禾』の最終画5を、2画、3画、4画の交差位置のやや下から書きはじめたほうが大人っぽい字に。さらに『口』の上下の空白が均等になるように。6画、7画、8画が交わるところはそろえず、ややずらしたほうがかっこいい字に見えます」

 

それでは、運を呼び込むには?

 

「まず『令』の最終画5を長めに伸ばすと、活力と意欲がアップします。次に『和』の4画、左ばらいを長めに伸ばすこと。人目を引く存在となり、華やかさを得られる。さらに、『和』の『禾』と『口』の間をやや離して、“気字”という、気の通り道をつくります。ここを離すことで、モノやお金が勝手に入ってくる、恵まれ体質に」

 

全体的に「令」は縦長、「和」は横長、ちょうど末広がりになるイメージで書けば、バランスよく見え、運がさらに開けるという。

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