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年をとるごとにつのる老後への不安。どうにかしたいという一心で、投資や財テクに手を出そうと検討している人も多いだろう。でも、あなたが選ぼうとしているのは老後破綻の入口かもーー。

 

「老後2,000万円不足問題や、年金受給開始年齢の引き上げ論などがメディアで話題となり、リタイアが見えてきた50代の人たちの多くは“時間がないから、何か手を打たなくては”と焦っていることでしょう。しかし、そんな老後不安を抱える人たちの資産が狙われているんです」

 

こう警鐘を鳴らすのは、「やってはいけない! 老後の資産運用」(ビジネス社)の著書もある、ファイナンシャルプランナー(FP)の岩城みずほさんだ。

 

「老後のため、よかれと思ってやったことが大失敗ーー。そんなことにならないよう、陥りやすい落とし穴を押さえておきましょう」

 

岩城さんが、老後不安につけ込まれて、ついやってしまう「お金のタブー」を解説してくれた。

 

【タブー1】50歳以降に医療保険に入る

 

「50代が加入しようとすると、一般的な医療保険で月の保険料は1万円程度です。年齢がさらに高かったり、持病があったりすると、引受基準緩和型医療保険となり、さらに割高になります」

 

しかし、高額な保険料に見合った保障を受ける人は少ない。月額保険料1万円、入院時日額1万円受け取れる商品で計算すると……。

 

「入院平均日数で計算した場合、60代女性が受け取る医療保険は平均で年間約3万6,000円。これに対し年間12万円の保険料は、高いといえるでしょう」

 

そもそも国保や社保などで、3割負担で医療を受けられるし、高額の医療費が生じた場合は、高額療養費制度によって、一定額を超えた医療費が全額戻ってくる。

 

「いざというときに使える50万〜100万円ほどの貯蓄があれば、医療保険に入る必要はありません」

 

【タブー2】終身保険に加入する

 

生きている間、毎月、保険料を払いこみ、死亡時にまとまった保険金を受給できる終身保険。

 

「自分の葬式代にあてようと、死亡保障を200万〜300万円に設定しているケースが多いようですが、おすすめできません。たとえば、某社の100万円の引受基準緩和型終身死亡保険に50歳で加入すると、65歳までに死亡しないと元が取れない計算になります」

 

勧誘文句のひとつに「死亡すると、銀行口座が凍結されるのでその対策に」というものもあるが……。

 

「相続法の改正により、遺産分割協議が終わる前でも、相続人は預貯金の一部を引き出せるようになりました」

 

よかれと思ってやったのに、大きく損をしてしまった……。そんなことがないように、「お金のタブー」を頭にたたき込もう!

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