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車を持つのに必要なランニングコストは、試算で年間約50万円にもなる。そのため、レンタカーやカーシェアリングなど、車は「持たず」に「使う」ほうが節約に! そんななか、車がタダで、マイカーのように使えるサービスが登場している。経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■タダで最長3泊4日まで乗りたい車がレンタル可能

 

1つ目は「0円マイカー・トライアル」。タダで最長3泊4日まで、乗りたい車をレンタルできます。中古車のガリバーを運営するIDOM株式会社と三菱地所株式会社の合同プロジェクトで、3月26日~5月15日の期間限定キャンペーンです。

 

借りる際に保証金3万円が必要ですが、車を返すと戻ってきますから、負担は利用中の駐車場代やガソリン代だけ。それ以外はゼロ円で、BMWやレクサスなどの高級車を含む50種類から、乗りたい車を選べます。

 

昨今、車離れが進むなか、あえて交通の便がよく、車を持たない方の多い東京・丸の内に、期間限定ショップを開き、この店とLINEとで申し込みを受け付けます。

 

車の便利さや楽しさを実感してもらって、本来の乗り換え可能な定額レンタカー事業につなげたいのがねらいでしょう。

 

2つ目は「0円マイカー」です。駐車場をカーシェアの拠点として提供し、この仕組みを運営するAnyca所有のシェアカーを配置。洗車や清掃などの管理を駐車場オーナーがサポートすれば、シェアカーを利用できます。

 

たとえば駐車場代が3万円、カーシェアの売り上げが月10万円だとします。駐車場のオーナーは、駐車場3万+売り上げの10%である1万=4万ポイントがもらえ、このポイント分で、マイカーのようにシェアカーが利用できます。

 

Anycaとしては、ポイントを支給するだけでカーシェアの拠点が増え、デメリットはほとんど見当たりません。

 

ですが駐車場オーナーは、管理などの負担ともらえるポイント、ポイントでシェアカーを利用できるメリットの比較検証が必要です。

 

カーシェアがよく利用される立地ほど、売り上げが伸びポイントが増えますが、その分、自分が利用したいときに車がない状態になりがちです。同社のほかのシェアカーも利用できますが、そうなると、自宅からすぐ出発できるマイカー感覚とはいえないでしょう。

 

最近は車を「持たず」、必要なときだけ「利用する」方が増えています。というのも、車を持つには車代のほか、税金や車検代、保険料、駐車場代などのランニングコストが大きいからです。

 

JA共済によると、トヨタ・ヴェルファイアなどLクラスミニバンのランニングコストは、年間約50万円(保険は6等級・駐車場は月1万2,000円・月間走行距離800キロメートルを想定)。都心だと駐車場代がもっと高くなりますし、車のローンがあればこれに上乗せされます。

 

いっぽう、同じクラスが、レンタカーだと12時間で約1万円(ニッポンレンタカー)、カーシェアだと15分間で440円(タイムズカーシェア)。どれくらい利用するかを想定して利用料金を計算し、ランニングコストと比べてみて。

 

車が生活の足という地方を除けば、車を持つより利用するほうが、家計はスリムになる方が多いのではないでしょうか。

 

「女性自身」2020年4月14日号 掲載

経済ジャーナリスト

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