ゲイ精神科医Tomy流コロナ禍での“イライラ”への対処法

「近ごろ、コロナ疲れからイライラする人が増えていますよね。そんなときは特に、自分と違う意見をもった人に対して『許せない!』という感情がわいて、SNSを中心に攻撃を始めたり……。私はこれを『正義中毒』と呼んでいます」

 

こう指摘するのは、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)の著者で脳科学者の中野信子さんだ。

 

「たとえば有名人の不倫問題にしても、“みんなのルール”を破るなんて許せない、と強い怒りの感情が暴走し、心ない言葉でたたきのめしてしまう。自分の生活には関係ない、見ず知らずの人に対してもです」

 

私たちは、この正義中毒の状態に簡単に陥ってしまうという。

 

「その根っこにあるのは“不安”です。不安が攻撃という行動に駆り立てる。今の時代、攻撃の輪はSNSによってすぐに広がり、そのなかで『それは責めすぎだ』という人が現れれば、今度は『そういうおまえこそ悪い!』と、新たな標的をつくっていくのです」

 

100年に一度といわれる非日常にある今。

 

「不安になって当然なの。10人いればそれぞれ意見が違うように、不安の感じ方も、対処法だって、一人ひとり違うものです」

 

そう語るのは、精神科医のTomyさん。けっして否定しない、知恵のあるツイートが人気で、Twitter『ゲイの精神科医Tomyのつ・ぶ・や・き』は、この半年間でフォロワー数が16万人に急増。著書『1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)も4万部を突破した。

 

「日ごと、コロナウイルスの感染者が増えるこの時期、“大丈夫だと思わない”ことも大事なんです。日本の場合、『過剰に不安がるな』という人も多いですよね。でも、この状況下で自分に『大丈夫だ』と言い聞かせることは、逆にストレスにもなりえますから」

 

近ごろ急増している“イライラ案件”。その対処法をTomyさんが教えてくれた。

 

■有名人の不倫騒動にイライラ

 

「本当に許せないのか、あるいは誰かを攻撃してストレス発散しているのかーーほとんどの人が『あのさわやかイケメンが不倫! 最悪〜、祭りだ〜』という発散のほうだと思うの。騒ぎたい人は騒げばいい。芸能人も、それを承知のうえでその仕事をしている人が多いでしょうし。でもね、ひとつ伝えておくと、やみくもに人を攻撃していると、やがて必ず自分に返ってくる。『あいつはそういうヤツだ』と、まわりの人に避けられる日がくるかもしれない、ってことを忘れないで」(Tomyさん・以下同)

 

■子どもの休校や自粛にイライラ

 

「同じ場所に閉じ込められることは、私も苦手だしイライラするわ。ただ、コロナに関しては、人に感染させない、そして感染しない、が大前提です。外出が難しい今、できないことはあきらめるしかないけれど、今あるバリエーションの中から楽しむことはできるはず。ジムに行けないのなら、ユーチューブの動画を見ながらトレーニングをしてもいいし。ヨガ教室に行けないのなら、お風呂場をスタジオ代わりにホットヨガをするとか……お気に入りのアロマをたいて電気を消せば、オシャンティな気分になれるわよ。子どもが騒がしいのなら、この際、好きな動画やアニメを思う存分見せるのも手よね。子どもは好きなものへの集中力がすごいから」

 

とはいえ、今回のコロナショックは、収束が見えないことこそが、私たちを不安で支配している。

 

「でも、人間は環境やストレスに慣れてゆく力を持っています。さらに極論をいえば、みんないつかは死ぬんです。それがいつかわからないだけのこと。誰も明日のことはわからない。だからこそ、見えない先のことを不安に思うより、今日一日のことだけを考えませんか。今できることの中から、今日一日の楽しみ方やリラックス方法を見つけられるといいわね。久しぶりの友達に連絡をするもよし、手間ひまかけて家族と一緒に料理を作るもよし。なかでも、古典の名作を読むことはおすすめです。どんな時代にも通用してきた作品なわけだから、私たちが得られるものも多いはずよ」

 

「女性自身」2020年4月28日号 掲載

関連カテゴリー: