古来、伝統文様には除災招福の願いが込められている。 画像を見る

「『鬼滅の刃』原作者の吾峠呼世晴さんは、和柄の意味をご存じなのか、人物像にぴったりの開運柄を選ばれていて驚きました」

 

そう指摘するのは開運マスターで占い師の富士川碧砂さん。老舗呉服店に生まれ和柄に親しんできた富士川さんは、伝統柄が持つ力を知らせたいと、『開運和柄ぬり絵』(サンマーク出版)の著書も持つ。

 

「日本の開運法の特徴は、特別な行動をするのではなく、毎日の暮らしに、運がよくなる吉祥のものや、邪気を退散させるものを取り入れること。その開運の象徴が、和柄です。伝統の和柄を着物や雑貨として身近に置き、生活に根差した開運を実践していました」

 

そして、今、社会現象となっている『鬼滅の刃』には、主人公の竈門炭治郎の羽織をはじめ、多くの開運和柄が取り入れられている。

 

「炭治郎の羽織の市松模様は、護身法の九字切りで、邪気や疫病を祓う意味があります。また妹、禰豆子の着物に描かれている麻の葉柄は、昔から赤ちゃんの産着に使われる魔よけ柄。ほかの人物の羽織にも開運和柄が使われています」

 

そこで、日常生活に取り入れたい「開運和柄」を紹介。

 

【市松】除災招福でコロナ禍を乗り越える!

炭治郎の羽織柄。最古の模様で、石畳模様ともいわれ、コツコツ蓄えた強さで道を切り開く象徴。護身法の九字切りで用いる形と同じなので邪気祓いや疫病よけにも。炭治郎が着る羽織の緑は調和、黒は善悪全てを包む意味で「鬼にも一理ある」の主人公にぴったり。

 

【麻の葉】魔をはね返し生命力をアップする!

炭治郎の妹、禰豆子の着物柄。麻の葉は成長が早く強い生命力を表す。神聖さの象徴で神道の神事に使われてきた。柄を構成する六角形は調和を表し、また六芒星と同じく、魔をよける力があるとされている。禰豆子着用のピンクには邪気浄化、愛され力アップの効果が。

 

【うろこ】厄を落として身体健全!

「鬼殺隊」隊士で、眠ると覚醒する我妻善逸の羽織柄。うろこ模様は蛇の脱皮を表し死と再生を象徴する。△は火を意味することから、生命力がアップし疫病退散、身体健全に。善逸の羽織の黄色は太陽の光を表し、悪いものを死滅させ、自分の力を世に広め仕事運アップの効果が。

 

【毘沙門亀甲】ステイホームの家庭円満に!

「鬼殺隊」“柱”の冨岡義勇の羽織柄。毘沙門天の妻は吉祥天で夫婦円満だったことから夫婦和合、家内安全、家庭円満と万能の力がある。虎と百足(ムカデ)がこの神の使いなので金運もよくなる。さらに古来、亀の甲羅を焼き神の声を聞いたことから、直感力もアップする。

 

【笹】古くからの厄よけで息災延命!

生命力が強い竹は長寿や繁栄をもたらし、男女和合の力を授ける。笹の青葉には、悪霊を退散させ、神を葉に依りつかせる力が。青葉には強い抗菌作用があり、古くから食べ物を包むのに使われてきたこと、また茎には薬効があることから、身体健全、疫病退散の効果も。

 

【ひょうたん】立身出世の象徴で不況に打ち勝つ!

豊臣秀吉が戦に勝つたびにひょうたんを増やし天下を取った逸話にちなみ、出世運、勝負運の象徴。種が多く子宝運も上がる。風水では、真ん中のくびれに吸い取った悪いものを逃さない力があるとされ、病気平癒のお守りにも。金のひょうたんは金運にも効果あり。

 

「私たちも、この和柄を日ごろから使うことで、運を開き幸せを招き寄せることができます。コロナ禍の今なら、マスクを作って身につけるのもいいですよ」(富士川さん)

 

「女性自身」2020年9月1日 掲載

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