要支援2のAさんは80歳を機に、介護付き有料老人ホームに入所した(※介護付き有料老人ホーム入居者の31.9%は自立〜要支援2の人)。6年間、状態を維持したが、86歳で要介護1に。89歳で誤嚥性肺炎で一時入院。医師からは通常食ではリスクが高いと判断され、嚥下食に切り替わった。退院後は寝たきりになって、要介護4、要介護5と上昇していき、92年の生涯を終えた。
〈試算〉
・入居金:150万円
【80〜85歳】要支援2
・介護費用:1万円
・月額利用料:21万円
・合計(月額):22万円
・年金のみの不足額(月額):9万2,000円
【86〜88歳】要介護1
・介護費用:1万7,000円
・月額利用料:21万円
・合計(月額):22万7,000円
・年金のみの不足額(月額):9万9,000円
【89歳】要介護4
・介護費用:2万3,000円
・月額利用料:21万円
・合計(月額):23万3,000円
・年金のみの不足額(月額):10万5,000円
【90〜92歳】要介護5
・介護費用:2万5,000円
・月額利用料:21万円
・合計(月額):23万5,000円
・年金のみの不足額(月額):10万7,000円
◎13年間で1,680万円不足(総費用3,676万8,000円/年金総額1,996万8,000円)
「あくまでも概算です。都心部の高齢者施設を利用すれば費用はさらに高くなるし、基礎年金のみの人は厚生年金より受給額が低いので、不足額はより大きくなるでしょう。また、人生100年時代、さらに長く生きるケースも、十分に考えられます」(齋藤さん)
もちろん、こうした不足分を、親の貯蓄や、不動産や株式の収入でカバーできればベスト。だが、足りない場合は、子どもたちで負担できるのか、計算しておくことが必要だ。
「コロナを理由に、親にエンディングノートを書いてもらうなどして、資産状況を整理しておくといいでしょう」(寺門さん)
「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載