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何げなく発した一言のために、人間関係が悪化した、そんな経験はないだろうか。

 

「たとえよかれと思っての一言でも、相手にとってはとても失礼で、傷つけてしまうことがあります」

 

そう話すのはイメージコンサルタントの吉原珠央さん。確かに、口は災いのもとというが、悪意のない言葉をどう注意すればいいのか。

 

「誰でも失言の苦い記憶があると思います。ときどき思い出して『考えてから話そう』と意識することが大切です」(吉原さん・以下同)

 

ならば意識づけも兼ねて、練習してみよう。次の人間関係を壊しかねない「失礼な言い方」を、どう言い換えればいいか。吉原さんがクイズ形式で出題。

 

【Q1】「私は、あなたみたいにがんばれないわー」

 

生活費を稼ぐため、フルタイムで働く私に、専業主婦のママ友が一言。

 

「発言者は、仕事と家事をこなす人を『すごい!』と思う反面、本当は少し嫉妬心があるのかもしれません。ワーキングママも、専業主婦も、たいへんなことはたくさんあるはず。お互いに『私のほうがたいへん』『私のほうが優位』といった競争心を抑え、相手のいいところを認めることが大切です」

 

言い換え:「時間の使い方が上手だよね。どうやりくりしているの?

 

【Q2】「こんなにやせちゃって、ちゃんと食べさせてもらってる?」

 

太りすぎの夫のために作り続けた低糖質メニューのおかげで、ついに夫がメタボを解消するも、姑が一言。

 

「お姑さんが息子より先にお嫁さんを気遣うよう注意していただくと、嫁姑戦争は起きないと思います。愛する息子とは、後でゆっくりと話せばいいのですから」

 

言い換え:「こんなにやせられるなんて、どんなメニュー? 私にも教えて」

 

【Q3】「昔とは違うんですよねー」

 

久しぶりの職場復帰。年下の女性の先輩から仕事を教わっても、なかなか理解できず、うまくこなせない私に、彼女が一言。

 

「『昔』という言葉は、若い方には2〜3年前を指すものでも、ミドルエイジは10年以上前と受け取りますよね。年の差を刺激する言葉は封印しましょう」

 

言い換え:「今はこうですが、○○さんのときはどうでしたか?」

 

【Q4】「バカな私でも務まったんだから。○○さんなら大丈夫!」

 

PTA役員を選出する保護者会。役員を私に押しつけたい前任者が一言。

 

「自分を謙遜することで、大した仕事ではないと思わせたい意図が透けて見えます。でも、たいへんなことはみんな知っていますので、ごまかさず正直にお願いしたほうが心を動かせると思います」

 

言い換え:「しっかり者の○○さんに、ぜひお願いしたいの。たいへんなときは、私も協力するから」

 

言葉が変われば、受け取る側の気持ちは大きく変わる。円滑なコミュニケーションや良好な人間関係を築くために、スマートな言葉を使うコツはあるのだろうか。

 

「これさえ守ればというコツはありませんが、自分で使わない言葉を決めておくのも一手です。Q3の『昔』、Q4の『バカ』など見下した表現も避けたほうがよいでしょう。ほかには『キライ』も、あえて使わなくてもよいでしょう。たとえばランチ会で『私、魚キライだからお肉にする』と言われたら、魚を頼みづらい雰囲気になるでしょう。言う必要のないことは、言わなくてよいのです」

 

スマートな表現を心掛け、コミュニケーションの達人になろう!

 

「女性自身」2021年1月19日・26日合併号 掲載

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