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新型コロナウイルスは変異株が猛威を振るい、感染への不安が身近に迫ってきた。そのうえ、コロナ禍で「残業代が減った」「頼みの綱のボーナスがカットされた」など、家計に不安を抱える人も多い。しかし、不安ばかりでは気がめいってしまう。そこで、少し目先を変えて“埋蔵金”を探してみては? コロナ貧乏を救うわが家の埋蔵金について、経済ジャーナリストの荻原博子さんが解説してくれたーー。

 

■古い保険は“お宝”。ぜひ問い合わせを

 

ここでいう埋蔵金とは、生活や家計の見直しだけで生まれるお金のこと。転職や起業、しんどい副業、リスクの高い投資、つらい節約などは必要ありません。

 

先日出版した『あなたのウチの埋蔵金 リスクとストレスなく副収入を得る』(朝日新聞出版)にも書きましたが、埋蔵金は“申請し忘れ”や“もらい忘れ”が多いです。それらを見つけ、いまからでもきちんと申請すれば、死ぬまでお得が続くものもあります。皆さんのウチにも、埋蔵金が眠っているかもしれませんよ。

 

【1】郵政民営化前の「簡易保険」

 

’07年10月、郵政民営化が行われました。それ以前の簡易保険は、かんぽ生命に引き継がれましたが、現在は「郵政管理・支援機構」が預かっています。

 

とはいえ古い保険ですから、加入したことを忘れている、親が子どものために加入したことを伝えないまま亡くなったなど、さまざまな事情で、満期金や死亡保険金の受け取りの申し出がないものが約1,300億円もあるといいます。

 

こうした古い保険は、利回りの高い“お宝保険”の可能性が高く、利回り5.5%なども夢ではありません。「ひょっとしたら加入していたかも……」と思う方は、まず当時の貯金通帳を見て保険料を払った履歴があるか確認しましょう。古い通帳がない方などは、最寄りの郵便局の窓口か、かんぽコールセンター0120-552-950で聞いてみてください。

 

【2】郵政民営化前の「定額貯金」

 

郵政民営化前、国営の金融機関だった当時の定額貯金や定期郵便貯金などは、国の保証が100%ついていた代わりに、満期から20年放置すると国に没収される仕組みになっていました。当時の定額貯金などはいまもその契約が引き継がれ、満期から20年後に案内があっても、その後2カ月以内に払い戻しなどの請求をしなければ、その貯金の権利は消滅します。

 

そうして没収された郵便貯金は、’07年から’19年までの間に1,118億円もあるといいます。また、まだ没収にはなっていないものの10年以上たって引き取り手のない郵便貯金は、’19年度末で3,524億円も存在します(郵政管理・支援機構)。

 

あなたの虎の子貯金は大丈夫ですか。古い通帳を探してみてください。通帳がなくても貯金をした覚えがあれば、最寄りのゆうちょ銀行で探してもらえます。

 

【3】未払い賃金は「立替払制度」

 

コロナ禍で失業してしまう方もいるでしょう。なかには、突然会社が倒産して、何カ月分か給料を払ってもらえない方もいるかもしれません。そんな方は泣き寝入りせず、労働基準監督署に相談してください。未払い賃金には、労働者健康安全機構の「立替払制度」が利用できます。

 

この制度は正社員だけでなく、パート・アルバイトでもOK。倒産の半年前までさかのぼって、ボーナスは対象外ですが、給料と退職金の約8割を受け取れます。

 

自分が働いた給料ですから、あきらめる前に相談に行きましょう。

 

新型コロナウイルスの第4波が押し寄せる今年のゴールデンウイークは、ステイホームを余儀なくされる方が多いでしょう。暗い話題ばかりで気が滅入りそうなときには、あなたのウチの埋蔵金を探してみては。コロナ禍転じて、大きな福が訪れますように。

 

「女性自身」2021年5月11日・18日合併号 掲載

経済ジャーナリスト

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