■「お客様に怒られ涙。でも周囲が支えてくれた」介護ヘルパーCさん(53)/ブランク:19年
「社会的なつながりが欲しくて、チラシやスマホで求人を探していました。求人チラシを切り抜いてはおくのですが、“本当に私にできるの?”って不安が勝って、なかなか電話できないんですよ。近所の介護施設に電話するまでに半年もかかってしまいました(笑)」
当初希望していたキッチンの仕事は別の人に決まっていたが「介護ヘルパーは募集しています。どうですか」と声をかけられた。
「近所に住む母も、要介護1の状態。“もしかしたら母の介護に役立つかも”と考えて、思い切って介護職に飛び込んでみたんです」
最初は週4日のうち、2日は仕事で、残り2日は介護職員初任者研修を取得するための学校通い。
「学校では友達ができて楽しかったんですが、実際の介護現場は授業とは違います。初めて送迎のお仕事をしたとき、利用者さんを車いすに乗せることができず、ご家族から『できないヤツをなんで連れてくるんだ!』と怒られて、その場で泣いてしまいました」
ここで支えとなったのが、施設スタッフからの『ごめん、まだ早かったね』『あのお宅に行かなくていいから』というフォローだった。
「それに職場の同年代のパート仲間とも仲よくなりました。お昼休憩のときにお弁当を食べながらおしゃべりするのが楽しくて。『○○さんはこうしたほうがいい』『××は大変だったね』と会話すると、ストレス発散にもなるし、対応の仕方も勉強できました」
体調を崩してしまい、2年ほどでその職場は離れることになった。母親の介護にはパートの経験が生きているという。
「体調が戻ったので、今は新しい職場で働いています。今回は求人を見て、すぐ応募できました」
「女性自身」2021年5月25日号 掲載