「新型コロナウイルスの感染拡大によって日本経済に甚大な被害がもたらされ、私たちの老後やお金の不安は尽きません。“どうすればお金を増やせるの”と悩む前に、まずは“貯まる人”の考え方や行動を知ることが大事なのです」
こう語るのは『お金の使い方テク』(朝日新聞出版)の著者である、ファイナンシャルプランナーの内山貴博さんだ。
「たとえば、家計簿をつけるにしても、(1)手書きでつける、(2)アプリを使う、どちらがよいと思いますか? 正解は(2)です。操作ひとつで収支をグラフ化してくれますし、ムダな支出が手間もなく一目でわかるため、アプリを使って家計を管理したほうがうまくいきやすいのです」
そこで本誌は内山さんに、“貯まる人”になるための2択クイズを出題してもらった。日常生活の消費行動を見直す参考にしてみてほしい。
「条件にもよりますが、一般的な“正解”と、その考え方を解説しています。これを機会に、得するお金の使い方を習慣化し、投資などにステップアップする準備をはじめましょう」
どれだけお金が貯まる消費行動ができるのか、まずはクイズにチャレンジしてみよう。
【第1問】「ポイントは貯めて使うべき? それともこまめに使うべき?」
ポイントを貯めて一気に使ったとき、得した気分になるものだが……。
「ポイント払いで高額商品を買っても、その値段ぶんのポイントがつくことはありませんし、有効期限がある場合も。貯まったポイントで高額な商品を“実質無料”で手に入れたいという気持ちはわかりますが、ポイントを貯めるために余計な買い物をしてしまうことも多いです」(内山さん・以下同)
知らない間に有効期限を過ぎてしまう、なんてことも“あるある”だろう。
「ポイント制度を利用するなら、使いこなせる数種類に絞って、早め早めに使うこと。コンビニなどでは200円以上の買い物でなければポイントが付与されないケースもありますから、そういったときに使うのがよいでしょう。大きく使ってもこまめに使っても得する額は変わりませんから、「こまめに使う」を選択したほうがポイントを有効活用することができます」
【第2問】「入るなら、医療保険とがん保険どっち?」
もし大きい病気やケガをしてしまったら……。そんなときのために医療保険に入っている人は多いだろう。しかし、そのような医療保険は、公的医療保険でかなりカバーできるという。
「それよりも『がん』と診断された段階で、一時金として100万、200万円とある程度まとまったお金が入るがん保険のほうがメリットがあります。保障の対象はがんに限られますが、その保険金の使い道は自由であるため、通院のためのタクシー代や、治療で副作用が出てしまったときのウイッグ代などにも使用できます。さらに、がん保険のほうが医療保険よりも保険料が安く、加入しやすい場合が多いという特徴もあります」
正解は「がん保険」。医療保険に高額な保険料を支払っている場合は、いちどFPに見直しを相談してみるのもいいかもしれない。
【第3問】「夫のお小遣い、毎月額を決めておくべき? それとも“そのときどき”で決めるべき?
毎月決まった額を夫に渡しておけば、ムダ遣いを防ぐことができそうだが……。
「私のところにご相談をいただいている方々も、“定額のお小遣い制”にしていることが多いです。しかし、決まったお金でやりくりすることになると、どうしても自己投資にかけるお金が少なくなります。すると、スキルアップの機会を得ることが難しくなる。将来を見据えると、自己投資をしている夫としていない夫では、収入に大きな差が生まれているかもしれません。夫が何のために使うかをきちんと把握して、その場その場で支出していくことをおすすめします」
妻(もしくは夫)ひとりで家計を管理してしまうと、お金の考え方や得られる情報に偏りが出てくるため、うまくいかないことが多いという。お金の話は、夫婦でしっかり話し合う機会を設けることが重要なのだ。正解は「“そのときどき”で決める」。
内山さんはYouTubeチャンネル「FPお金レッスン」でもマネー情報を発信中!