「窓が開けにくい」「風呂の水は…」危ないマンションチェックリスト
画像を見る 傾きが見つかった神奈川県のマンションの当時の様子。階段の渡り廊下に段差ができているという住民の指摘が発端だった。現在はすでに建て替えられている(写真:共同通信)

 

■「危ないマンション」自分で見抜くチェックリスト(※取材をもとに本誌作成。確定的な診断は専門家への相談が必要です)

 

〈命にかかわる欠陥〉

 

【1】外壁に亀裂やたわみがある。タイルが浮いている

□ 剥落して落下することがある

 

【2】窓のサッシやドアがスムーズに開かない

□ 建物が傾いている可能性がある。窓やドアに欠陥がないのに、開きにくい場合は要注意

 

【3】施工業者がほかのマンションで耐震偽装や手抜き工事をしていたことが発覚

□ その業者が不正の常習だったら危険

 

〈生活の利便性にかかわる欠陥〉

 

【4】断熱材が入っていない、入っているが薄い

□ 風呂場の点検口から見ることができる場合がある。吹き付けタイプの断熱材の場合、点検用のピンが奥まで入っていることが目安に。ただし、しっかりとした検査には専門家への依頼が必要

 

【5】床を足で押すとたわんでいたり、音がしたりする場所がある

□ 床材の施工が不十分な可能性がある

 

【6】洗面所の蛇口を目いっぱい開いた状態で、お湯を入れたバスタブの栓を抜くと、水がうまく流れない

□ 水を流すための勾配が足りない、あるいは排水の施工不良の可能性がある

 

〈欠陥ではないが確認すべきこと〉

 

【7】各種ハザードマップの危険地帯になっている

□ 購入時は参考に。すでに住んでいる場所は適切な備えをとる

 

【8】管理組合が機能していない。管理会社に任せきりである

□ 管理会社は必要最低限のことしかしないことが多い

 

「建物が歪むとアルミサッシなどに影響が出ます。窓やドアの開閉がスムーズかを確かめてみる。水道の水をいっぱいに流しながら、風呂の水も流して、排水機能を確かめるなど、さまざまな方法が考えられます」

 

そして、忘れてはならないのが立地の再確認。

 

「各自治体が公表しているハザードマップで災害リスクを知り、その物件にどのような対策が施されているのか調べることも重要です」

 

しかし、建物の構造的な欠陥を見つけることは、素人では困難だ。2年の保証期間や、10年の瑕疵担保責任期間が切れる前や、大規模修繕などの節目に、“プロの目”でチェックすることが勧められる。

 

「管理会社への相談も重要ですが、デベロッパーの子会社のケースが多いので、正しいジャッジができない可能性も。第三者の検査会社に依頼するのが安心でしょう。そして、なにより重要なのは、いざというときに住民が一枚岩になれるよう、しっかりと管理組合の運営に参加することです」

 

マンションは、人生でもっとも高い買い物。命と資産価値を守るため、住民も意識を高く持つべきなのだ。

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