「最近は30代、40代の人でも不眠に悩んでメンタルクリニックに通院したり、血糖値が高く薬を服用しているなど、何らかの持病がある人も少なくありません。こうした人が一般の医療保険に加入しようとすると、持病を理由に断られたり、また正しく告知をしていないと告知義務違反で、契約が無効になるリスクもあります」
こう語るのは『NEWよい保険・悪い保険2021年版実名ランキング』(共監修)などでおなじみの保険のプロ・長尾義弘さん。そんな、持病や高齢を理由に一般の医療保険には入りたくても入れない人が加入できるのが「引受基準緩和型」の医療保険だ。
「私も以前は、『持病があっても入れます』『高齢でも入れます』という宣伝文句の『引受基準緩和型』は、割高で不利だから入ってはいけないと注意喚起してきました。ところが近年、保険各社の商品の改定が進み、通常の医療保険とほぼ同程度の保障内容で、しかも保険料も少しずつ下がっています。それに加え、以前から『引受基準緩和型』の大きなデメリットだった“契約してから1年間の保障が50%に抑えられる制限”をなくした商品も多く登場。この分野の保険の内容が大きく改善されてきているんです」
ただ保険料が値下がりしているとはいえ「引受基準緩和型」の保険料が一般の医療保険に比べて高いことは変わっていない。
「最近は、一般の医療保険でも、高血圧などの薬は服用していても加入できる商品も増えています。持病がある人でも、まずは保険会社に自分が一般の医療保険に加入できるか確認し、だめとわかったら『引受基準緩和型』を検討してください。またずっと一生入りつづけるのではなく、子どもが成人するまでの大きな保障が必要な一定期間だけ、または経済的な備えができるまで期間限定で加入するなどの使い方がおすすめです」