想像だにしていなかったコロナ禍で私たちの「常識」はことごとく変わってきましたが、お金だって例外ではありません。新しい時代の「お金の常識」をしっかり身につけて、来年こそお金を貯めよう!
「コロナ前は当たり前だったお金の使い方が、ウィズコロナの時代にはそうではなくなるなど、お金にかかわる価値観がガラッと変わりました。こんなときだからこそ、変化に対応して“負けない家計”を作りましょう。今は生活がキツいかもしれませんが、できることはたくさんあるはずです」
そう話すのは、『こんな時代でもラクラク貯金ができる! ○×でわかるお金の正解』(KADOKAWA)の著者で、家計再生コンサルタントの横山光昭さん。
「これ以上節約できない!」と思っても、プロの目から見てコストカットできるところはまだある。特に「通信費」は、見直し効果は絶大という。
「通信費は手取り収入の3〜3.5%以内が目安です。たとえば手取り収入が30万円の家庭であれば、月々9,000〜1万500円。1人当たりではなく一家で使う金額です。最近ではスマホの利用はSNSが中心で、無料の通話アプリもありますから、ほとんどの人は格安スマホで十分です。これまで使っていた携帯電話会社への違約金が怖くて、格安スマホへの乗り換えを先延ばししている人も見かけますが、同じ系列の格安スマホへの乗り換えなら違約金は0円でした。私も長年格安スマホを愛用していますが、支払いは月2,000円ほどで済んでいます」(横山さん・以下同)
また、月額定額料金でさまざまなサービスが受けられるサブスクリプション(サブスク)も無駄が発生しがちだ。定番の動画見放題以外にも、定期配送の水、カーシェアリング、スポーツジムの利用、洋服のレンタルなど、その種類は多岐にわたる。
「銀行口座やクレジットカードからの引き落としなので便利ですが、使っていなくてもお金が出ていってしまうのが落とし穴です。使用頻度が少ないサービスは解約し、必要に応じて、都度利用するほうがかえってお得になります」
コロナ禍での運動不足もあって、ウオーキングがてら毎日スーパーに出かけることが習慣になっている人も多いが。
「スーパーに行くのは『週に2回まで』などと決めて、お金を使わない日を設けておくといいでしょう。1円でも安いスーパーで買いたくなりますが、安いものを探すより、品物の数、買い物の回数を減らすことが大切。そのほうがグッと食費を抑えられます」
大容量で激安がウリの「業務用スーパー」は、冷凍保存できる食材も多いので、一見節約の味方のようだが、「買い物リスト」以外の品物まで買ってしまうと、浪費につながるので注意!
「事前に『買い物リスト』を作ることをおすすめします。リスト外のものが目に留まってしまったら、リスト内のものを1点買うのをやめるようにしましょう。ちなみに大家族のわが家では業務用スーパーを愛用していますが、月に1度など少ない頻度で、必要なものだけを買うようにしています」
買い物の回数や量だけでなく、お金の支払い方にも注意が必要。ポイント欲しさにキャッシュレス決済を多用する人も多いが、クレジットカードは利用額の把握が難しい。支払い明細を見て「こんなに使った?」と、ビックリすることがあるので、現金でその都度支払うのが理想だ。
「ポイントを貯めたいのなら即時決済のデビットカードのほうがいいですね。クレジットカードでの買い物は、『借金での買い物』だということを忘れないでください」
【これまでの常識】
・格安スマホへの乗り換えは違約金が心配
・はやりのサブスクはお得だ
・1円でも安いスーパーをはしごする
・業務用スーパーは節約の強い味方
・クレジット決済はポイントがお得
【これからの新常識】
・大手の乗り換えも違約金不要に
・必要に応じて払うほうが無駄が出ない
・安くても必要ないものは買わないこと
・爆買いの誘惑にかられる店は要注意
・「クレジット=借金」を忘れずに
なにげない日常生活の中にも、「お金の新常識」を取り入れる余地はたくさんありそうだ。