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「今年こそ貯めるぞ、と誓ったはずだったのに……」

 

年の瀬が近づくと、そう肩を落とす人が多い。

 

「貯蓄できないと悩む人の多くは、じつは『お金と向き合う』重要性はわかっているのです。貯蓄術などにも興味があり、お金の知識を持っていても、忙しい日々のなかで、知識の整理や行動への結び付けができていないのが問題です」

 

そう語るのはマネーコンサルタントの頼藤太希さんだ。「お金を貯めなきゃ」という前のめりな気持ちはあっても、どこから手を付けたらいいのか悩み、動き出せない人が多いという。

 

「やみくもに高い目標を立て、貯蓄名人のマネをしようとしても、なかなかうまくいきません。というのも、人それぞれ収入や資産などが違うからです。収入が少ない人にはそれに応じた貯め方がありますし、運用できる資金が増えてくれば、そのお金を増やすための選択肢も増えてきます。無理なガマンをせず、できるだけ効率的にお金を貯めるには、収入や資産に応じた正しいやり方があるのです」(頼藤さん・以下同)

 

収入の額にかかわらず取り組みたいのが控除を利用した「節税」だ。

 

「控除」とは、各種控除を利用して払いすぎた税金を戻してもらう、あるいは翌年に支払う税金を少しでも安くすること。こうした“棚ぼた収入”ともいえる税金の戻りは、申請しなければ手にすることができない。

 

「医療費控除は少しハードルが高いのですが、セルフメディケーション税制なら利用しやすいと思います。ほかにも、確定申告が簡素化されたふるさと納税や’22年から対象年齢が60歳未満から65歳未満に引き上げられるiDeCo(個人型確定拠出年金)、自営の方なら小規模企業共済など、控除を増やすワザはいろいろあります」

 

【セルフメディケーション税制で最大8万8,000円】

一般的な家庭では年間10万円以上の医療費を使うことはまれ。「セルフメディケーション税制」なら、病院専用から市販薬にスイッチした医薬品、年1万2,000円以上の購入で控除できて、控除額は最大8万8,000円! 花粉症薬や頭痛薬などをよく使う人はチェックを。

 

【自営の人は小規模企業共済で節税効果大】

小規模企業共済は、自営業やフリーランスの人が自分で積み立て、自分の退職金や老後資金を作る制度。月7万円までの掛金が全額控除対象なので節税の効果大。貸付制度もあるうえ、運用はすべてお任せで利回りは1〜1.5%と忙しい自営業者にはもってこい。

 

【ふるさと納税の確定申告が令和3年分から簡素化】

ふるさと納税は居住地以外の自治体への寄付制度。実質2,000円の自己負担で寄付額の3割相当の返礼品を受け取れる。2,000円を超える額は控除され節税に。控除の上限は年収や家族構成などによるので、ふるさと納税サイトなどでチェックし上限まで活用しよう。

 

【加入年齢の上限が来春から引き上げられるiDeCo】

iDeCoのメリットは投資した資金が控除され、節税しながら老後資金が作れること。これまで60歳未満が対象だったが、2022年5月以降は65歳未満までと対象が広がる。読者世代がこれから始めても◎。条件は国民年金加入者なので、任意加入も検討を。

 

【老親への仕送りも扶養控除の対象に】

「親に毎月仕送りをしている」「親の病院代などを払っている」などがあれば、親と「生計を一にしている」とみなされ、扶養控除が受けられる。70歳以上の同居の親だと年58万円、離れて暮らす親でも年48万円。条件を満たす人は忘れずに申請しよう。

 

節税はお金持ちがやることだと思っていたが……。

 

「節税は正しい税金の払い方ですから、納税者はみんなするべきです。やらなければ損しますよ」

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