コロナ禍での『寂しさ』も影響していると感じます、と犬山さんは語る 画像を見る

いま、SNSで大人の心をつかんでいるのが、シルバニアファミリーといった王道のものから、個人作家が作り出す動物以外の珍しいぬいぐるみたち。

 

なぜいま、ぬいぐるみブームなのか。自身も「“ぬい”とお出かけする」というエッセイストの犬山紙子さんに、背景を考察してもらった。

 

「コロナ禍での『寂しさ』も影響していると感じます。ただ、『大人がぬいぐるみを愛めでる』ことへの抵抗感が社会的になくなっていたことが前提かなと。かつてから一部では、“ぬいアカ”(ぬいぐるみを発信するために作ったアカウント)で“ぬい撮り”を投稿する文化があったのですが、SNSの一般化とともに市民権を獲得。大人がシルバニアファミリーを持ち歩いたりすることも、私含めSNS上ではよく見かけます」(犬山さん・以下同)

 

“非”生物のぬいぐるみの流行もまた、SNSやネットの存在が大きいと指摘する。

 

「マス受けが必須のメーカーと異なり、個人の作家さんは自分だけの『カワイイ』を追求できます。その感性がSNSにより、多くの人に共感されたのでしょう。しかも最近では、個人が簡単に通販サイトを立ち上げられる。価格帯も3000〜1万円くらいで、大人が手を伸ばしやすい値段の作品も」

 

老若男女に開かれた現代の「カワイイ」は、非生物から無機物にいたるまで垣根がない。

 

「どんなものでも『ふわふわ=カワイイ』と感じる心は、『カワイイの拡張』を示唆しているようにも思います」

 

新世代の“ぬい”カルチャーは、多様な自由さが魅力なのだ。

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