■家じまいで後悔しないためのポイント8
【1】まずは作業の全体をリスト化する
「ToDoリスト」を箇条書きで作成。実家の売却を検討するなら、まずは内見に訪れた人が好印象を抱くように家の中を整頓しておこう。その後は家具や家電を順次処分し、貴重品やアルバムなど、思い出の品は最後に吟味。
【2】最低1人は地元の人手を確保する
粗大ゴミなどは捨てられる日も限られるので、そのたびに実家に帰るのは難しい。地元の友人や親戚など、家じまいの助っ人を確保しておき、頼めることは頼むようにしよう。もちろん感謝の気持ちや簡単なお礼も忘れずに!
【3】ご近所への事前の周知は忘れずに
家じまいの報告は、親戚や親しい友人だけでなく、近所の人にも漏れなくすること。いきなり「お隣に知らない人が住んでいる!?」とびっくりされてしまうケースもあるので、面倒がらずに町内会などへも挨拶しておこう。
【4】入浴施設に泊まって宿泊費を節約
電気、水道を止めた実家に泊まっての作業は困難だが、そのつどホテルへ宿泊すると経費がかさんでしまう。そこで活用したいのが宿泊のできる近場の健康ランドなど。節約にもなるうえ、疲れも癒せて一石二鳥に。
【5】大型家具は自治体の無料処分を活用
大きな家具は業者に有料で引き取ってもらうと手っ取り早いが、自分で持参すれば無料で処分してくれる自治体もあるので調べてみよう。また、傷みが少ないものであれば、リユースやリサイクルでの再活用も探ってみて。
【6】上手に「縁」を残しておこう
家じまいをしてしまうと地元との「縁」は薄くなってしまいがち。可能であれば、実家の片づけに帰ったときに、仲のよかった同級生などと顔を合わせて、連絡先を交換しておこう。同窓会名簿の変更もお忘れなく。
【7】思い出の品は目を通してから処分
思い出の品の処分は、後悔を残さないよう、じゅうぶん時間をかけて最後の仕事に。日記やアルバムといった処分がためらわれるものは、一度すみずみまで目を通すと、捨てるふんぎりがつきやすくなることも。
【8】自分の代の「家じまい」を想像して
両親の家じまいを終えたら、次は自分の家を子世代がしまうことをイメージしてみて。「このままでは大変なことに!」と思ったなら、次の世代に負担をかけないような老後の住まいづくりを心がけていこう。
最後に、北見さんは家じまいで失敗しない秘けつを次のように語る。
「家じまいには、『いつまでに』という期限がありませんが、自分自身が元気でなくてはできません。大きな負担を次の世代にそのまま残してしまわないよう、自分で自分を鼓舞することが大切です」
子や孫の負担を心配しながらでは、自分自身の老後もけっして豊かなものにはならないのだ。