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「貯金が苦手」「なかなかお金が貯まらない」……、そんな悩みを抱える人には、共通する数々の“口グセ”があるという。浪費を招く禁句を口走っていないか、チェックしてみようーー。

 

「コロナ禍の行動制限の緩和が進んでいますが、途端に財布のひもが緩んでしまった、という人も多いのではないでしょうか? 日用品の値上げに関するニュースも多いなか、浪費グセには注意が必要です」

 

そう指摘するのは、『50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話』(東洋経済新報社)の著書があるファイナンシャル・プランナーの山中伸枝さんだ。

 

人生100年時代、老後2000万円問題も話題となったが、山中さんのもとには、将来に不安を抱える50代女性からの家計相談が増えてきているという。

 

「いまの50代にあたる世代はバブルを経験していることもあり、ついお金を使ってしまう浪費家さんが多い傾向があります。“ラスト昭和世代”とも呼ばれ、物欲が強く、ブランド物が好きな人も多い。テレビの影響を強く受けた世代でもあり、月曜夜9時には月9ドラマといったように、みんな同じ番組を楽しんでいて『みんな同じだよね』という思考になりがちです。そのため『みんなはーー』が主語となり、現代の若い世代のように自分軸で、『私はーー』と考えられる人が少ないのです」

 

50代の人が浪費をしがちであることは、統計にも表れている。

 

総務省の「世帯主の年齢階級別消費支出(総世帯)全国家計構造調査(2019)」によると、もっとも支出が多いのが50代で、月額28万3725円。

 

同時に、金融広報中央委員会が昨年発表した50代の資産保有額を見ると、“預金なし”の世帯はじつに23.2%にものぼる。

 

そして、山中さんによると、お金を貯めるのが苦手だったり、浪費に走りがちな50代の人には、共通する“口グセ”があるのだという。

 

今回はそんな“ムダ遣いを招く禁句”を山中さんに解説してもらった。1つでもあてはまれば要注意。不意に口走っているものはないか、正直にチェックしてみよう!

 

【1】「経済に貢献しないとね」

「コロナ禍でこのフレーズを口走る人がとても増えました。食事や旅行のシーンでちょっと奮発する散財を繰り返してしまう言い訳で、大いに危険です。相談者の方からこのフレーズを聞いたときはいつも『大丈夫。そのムダ遣いがなくても、経済はきちんと回りますよ』と、たしなめています(笑)」(山中さん・以下同)

 

【2】「自分へのごほうびだから」

これも【1】同様に散財の言い訳だという。50代はとにかく自分へのごほうびが大好きな人が目立つと山中さんは話す。

 

「美容に関する支出で体のメンテナンスに気を配るように、“お金の使い道”のメンテナンスもとても大切です。人生100年は、50歳の自分がいまのままあと50年生きる、というわけではありません。いまだけでなく、老いた自分への備えにもきちんと目を向けましょう」

 

【3】「とりあえず買おう!」

予算も立てず、気になったものは“とりあえず”買ってしまうことはないだろうか?

 

「スーパーの特売品からデパートで一目ぼれした洋服まで、本当に必要かどうかを見極めずに、勢いで物を買ってしまうクセがある人は早急に改善しましょう。こういう人が“とりあえず”すべきことは『ねんきん定期便』のチェック。浪費グセのある人のほとんどは、将来自分が受け取れる年金の額をきちんと把握できていませんから」

 

【4】「うちのまわりってーー」

「お金に関してルーズな人は、『まわりの奥さんも、みんな扶養だし』『うちの近所はどこの家も……』と、“赤信号みんなで渡れば怖くない”という意識を持ってしまっていることが多いようです。しかし、周囲の人のことは自分自身の家計のものさしには決してなりません」

 

自分の家計を客観的に振り返る姿勢が大切なのだ。

 

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