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「7月以降も価格を維持します」。イオンは6月21日、プライベートブランド(以下、PB)「トップバリュ」のほとんどの商品の価格を据え置くと発表した。

 

さまざまな商品が値上がりする中で、「家計の助けになる!」と注目されているのが、このPBだ。

 

食文化研究家でスーパーマーケット専門家のスギアカツキさんは、次のように解説する。

 

「スーパーのオリジナル商品であるPBは、大手メーカーの商品よりも価格が安いのが最大の魅力。最近では1つのスーパーで複数のブランドを抱え、ふだん使い、高価格帯でこだわりのあるプレミアム、オーガニックを扱うものなど、ニーズに合わせてブランドを選ぶこともできます」

 

どのスーパーも力を入れてPB商品を売り出す背景には、店側が得るメリットがある。

 

「卸売業者を通さないため、利益率が5~10%ほど高まるんです。さらに、消費者の声やニーズを取り入れた強みのある商品を作れます。最近は安さだけでなく品質も追求した商品が増えています。お客さんに選ばれる、コストパフォーマンスの高い商品をどんどん開発することで、売り上げを伸ばしているんです」(スギさん)

 

実際に、西友のPB「みなさまのお墨付き」の’20年の売り上げは、前年比で27%増加。ライフの自然志向のPB「ビオラル」も、’21年度の売り上げが前年比160%増という好調ぶりだ。

 

節約アドバイザーで、AllAbout家事ガイドの矢野きくのさんも、積極的にPBを選ぶ。

 

「特売品には負けますが、大手メーカーの通常価格に比べると、PBは安定して安い。底値ではなくても、いつも安いものを購入していれば、結果的に節約になりますし、“安いものを探す”という時間の節約にもなります」

 

「かつては“安いけどがっかり”なイメージがあったPBですが、最近は大手メーカーに引けをとらない商品も出ており、“PB=おいしくない”という風潮が変わりつつあります」

 

そう話すのは、主婦でブロガーのちーこさん。食にまつわる情報を発信するブログ「食品の良し悪し研究室」では、たびたびPBの実食レポートを掲載している。

 

「特に、調味料の品質が向上しています。マヨネーズやケチャップ、油、こしょうやしょうがなどは、大手メーカーのものとさほど差がありません」(ちーこさん)

 

主婦歴22年の“プロ主婦”で元家政婦のマミさんも、全体的な水準はかなり高いと語る。

 

「実際に食べ比べてみても、おすすめできるものばかり。値段を考えると十分なものが多く、イマイチかな? と感じても、好みのに収まるレベルです」

 

このようなおいしいPB商品を見極めるにはコツがあるという。

 

「リニューアルした商品は確実に品質を上げているので、味にこだわっている可能性が高いです。また、キャラクターなどとのコラボ商品は、相手のブランドを傷つけないよう力を入れており、品質が高い傾向があります」(スギさん)

 

製造元もチェックしよう。

 

「PBの中には、大手食品メーカーが作っている商品も多数あります。これまで買ったPBで、製造元が大手メーカーのものはハズレが少なかったです」(ちーこさん)

 

とはいえやはり、実際にスーパーで大手メーカー品と見比べた際には「安いけどおいしいのだろうか……」と不安になるもの。そこで、今回はスーパーに詳しいこの4名に、全国展開するイオン、ライフ、西友、イトーヨーカドーのPB食品から、おいしいとおすすめできるものを選んでもらった。

 

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