■きれいに見えても実験で可視化される汚れ
果たして「ニオイがない=汚れていない」と捉えて良いのだろうか?そして、ニオイや菌の増殖を抑えるには、どのような方法があるだろうか。
「バスタオルの汚れが徐々に蓄積して行き、それが黒ずみやイヤなニオイの発生につながることがあります。また汚れがあって、湿った状態が長く続くと、カビの発生に繋がることもあるのです。
ただ、毎回洗濯できないという方も多いと思います。その場合は、広げて必ず乾燥させておくことが必要です。乾燥させておかないと、菌が増殖し、嫌なニオイの発生につながります」
こう解説するのは、ライオン株式会社のお洗濯マイスター・大貫和泉さん(以下、カッコ内は大貫さん)。写真のように、特殊な試薬を使って2日間使用したバスタオルには汚れが紫色に可視化されている。
「汗や皮脂汚れなどと反応する特殊な試薬で染めてみると、中央部分に汚れが集中しているのがわかります。実は、洗い立てのバスタオルで、洗ったばかりのからだをふいても、実験のように中央付近がわずかに汚れているのです。見た目はキレイなままなのですが、バスタオルにはからだや顔、髪の毛をふく時に、お風呂上りにかいた汗や、わずかに残った汚れがついてしまっています」
つまり、目視では汚れていないように見えても、汚れは付着しているということだ。ただ、ニオイがないからといって菌がいないということではないらしい。
「ニオイのないタオルでも湿った時に、嫌なニオイが出てくる場合もありますよね。なので、ニオイがない=汚れが残っていないということではありません。例えば、乾燥しているタオルでは、におわないのに、洗顔した後、顔を拭くとにおうこともあると思います」