■定年後に収入を得ることも大事
次に、あまり仲がよくない夫婦におすすめの方法だ。
【5】ライフプラン表を見せる
「老後30年間のライフプランを立てて夫と共有しましょう。まずは年金額から支出額合計を差し引いた赤字額の試算を。たとえば年間の支出が360万円で、年金額が250万円なら、110万円は赤字。その分を蓄えから補塡することになり、『80歳までに貯金は底をつくよ』と数字で示すとわかりやすいです。そうやって、不当におこづかいを減額しているのではないことを理詰めで理解してもらいましょう。表は手書きでOKです」
妻が手書きで一生懸命書いた表を破ったりはしないはず。
【6】余剰金を試算し、「一生分のボーナス」として渡す
「おこづかいを減額したうえで、【5】のライフプラン表で試算した結果、老後資金から100万円でも余剰金が出たなら、夫婦で2分の1ずつ受け取るとお互いの自由度がアップして気分も上向きに。まとまったお金を渡せば、おこづかいをさらに月額1万円減額してもらいたいときも、交渉がスムーズに進むでしょう」
運用するも、虎の子としてキープするのもそれぞれの裁量だ。
【7】稼ぎの半分以上は還元
「収入を得ることも大事です。定年後にシルバー人材センターに登録するもよし。稼ぎの半分以上は夫のおこづかいにしてあげると、仕事のやる気が上がります」
仲がよくないのなら、夫が出かけてくれると妻も助かる。
【8】限られたこづかいをスらないようアドバイスを
「おこづかいの範囲でいかにやりくりさせるか。節約慣れしていない夫に、近所のおトクな喫茶店や飲み屋など、使える情報を教えてあげましょう」
落ちぶれたのではなく、生活が変わっただけだと理解させること、と畠中さんは強調する。
手渡しているこづかいで赤字にならないよう、見守ってあげることも大事だ。