■「“お守りがほしい”という方は、郵送という手間をかけてでも購入されます」
では郵送対応を導入したことで、転売は減っただろうか?
「あまりにも酷い金額で転売されるというのはなくなりましたが、ネットショッピングに慣れていらっしゃる方も多いかと思います。一部ではネット上で出品されたものを購入されているのかなという印象を抱くこともありますが、転売されることは若干減っているように感じます」
なお因幡堂では、オンラインでの販売は行っていない。その理由について住職は、「間違いがあると困るので、購入を希望する人には現金書留で代金と返信用封筒を入れて送ってもらっております。そうするとまず間違いがないですし、返送するのも早いんです」と説明する。
最後に、住職はお守りに対する思いを改めて語った。
「“お守りがほしい”という方は、郵送という手間をかけてでも購入されます。反対に“ストラップ代わりにつけたい”という感覚の方は、ネットで購入される方もいらっしゃるでしょう。お寺として『これはお守りです』と目くじらを立てるのも、大人げないかなという気もしますので。用途をお守りとされる方には、『お寺でご購入ください』の気持ちでいいのかなと思っています。ストラップ代わりなどの目的でほしいのなら、『お寺は関わりありません』といったスタンスです」
現金書留での郵送対応はアナログともいえるが、“お守りを求めている人に届けたい”との思いが詰まった工夫だったのだ。