帝国データバンクが発表したデータによると、今年9月の食品の値上げは全体で1千392品目を数え、5カ月ぶりに単月で1千品目を上回った。
22年、ロシアによるウクライナ侵攻に端を発した“値上げラッシュ”だが、食欲の秋の家計を直撃するのは今年で3度目となる。物価高騰に給料のアップが追いつかないなか、策を講じないでいると値上げラッシュによるダメージはより深刻になってしまう。いま家計防衛のためにできることはなにか、生活経済ジャーナリストの柏木理佳さんと、節約アドバイザーの丸山晴美さんに“秋の買い物術”の極意を教わった。
【1】お米を賢くゲット
「ふるさと納税の返礼品を、米やみそ、醤油など生活必需品にすることを検討。毎月、決められた量のお米が届く“お米のサブスク”は、品種や購入量によって年間1万5千円近く安くなるケースもあります。ただし、余らせてしまっては損を招くので、食べる分だけ注文することが重要」(柏木さん)
【2】家電の買い替えチャンス
「白物家電は秋にモデルチェンジするケースが多く、型落ち品が安くなります。最近では初期不良や、運搬中に傷がついたなどで一度工場に戻った商品を修理して再販売する『リファービッシュ製品』も注目されており、定価の2~3割引きで購入できます」(丸山さん)
【3】日用品はサンプル品でカバー
「WEBサイト『Vサンプル』『サンプル百貨店』などではサンプル品を格安でゲットできます。私自身、おふろ掃除のスクラビングバブルのスプレー4本、詰め替え5個のセットを1千180円(税込み1千298円)で入手。しかもすべてVポイントで購入しました」(丸山さん)
【4】ズボラ節電で電気代カット
9月から11月の請求分は電気・ガス代の補助金制度が復活するため安くなるが、補助金が冬場まで延長されるかは未定だ。
「一度、給湯パネルの設定を変えるだけの“ズボラ節電”もやっておくべき。東京ガスによるとお風呂の給湯温度を42度から40度にすれば年間2千645円、湯量を200リットルから180リットルに減らせば4千852円節約できるそう」(丸山さん)
【5】規格外・B級品を狙う
道の駅などでは、規格外の野菜などが格安で手に入る。
「また、食品ロス削減を目的としたサイト『Kuradashi』や『フリフル』、『タダヤサイ』を利用すれば、野菜を格安、場合によっては無料で入手できます。デフレ時代を思い出させるほどの価格です」(丸山さん)
【6】地域振興券・地域通貨の利用
「地域振興券も紙ではなく、スマホやPayPayなどを利用したデジタル決済対応のものも増えてきています。スマホが必要になりますが、自治体によってはスマホ購入に補助金を出してくれるケースもあります」(丸山さん)
「この秋は、食品以外でも郵便料金や住宅の火災保険料の値上げも控えています。日々の支出で手をつけられるところがないか、いま一度点検しましょう」(柏木さん)
買い物シーンや毎月の支払いなどを見直して、3度目の秋の値上げラッシュを乗り切ろう。