羽生結弦が卒論に綴った採点制度への不満「曖昧な部分多い」
19年の全日本選手権で宇野昌磨に敗れうなだれる羽生(写真:アフロ) 画像を見る

《現在フィギュアスケート界ではジャッジング(採点法)についての議論が盛んに行われている。近年フィギュアスケートは高難度化が著しく進んでおり、そのために審判員がわずか1秒以内に行われるジャンプを正確に判断することは至難となってきている。また、ジャンプの評価基準は明記されているものの曖昧な部分が多く、その試合の審判員の裁量に委ねられている部分が大きい》

 

フィギュアスケート界の現状の採点制度について疑義を綴ったのは羽生結弦(26)。昨年、早稲田大学の人間科学部通信教育課程を卒業した羽生だが、この文章は卒業論文として執筆したものを、同学部発行の学術誌へ特別寄稿するにあたり加筆・修正したものだ。

 

今回、本誌はその学術誌を独占入手。そこには約8千字にわたって羽生の赤裸々な“悲痛の叫び”が綴られていた――。

 

羽生にとってかつてない激動のシーズンが終幕した。3月下旬の世界選手権ではショートプログラム(SP)で首位に立つが、フリープログラム(FP)ではミスが続きまさかの3位という結末。

 

4月15日から大阪で行われた国別対抗選手権では、FPで今シーズン自己ベストである193.76点を記録するも、宿敵ネイサン・チェン(21)にまたしても敗れ、男子個人では2位に。国別の順位でも3位という結果で今シーズン最終戦を終えた。16日のFP後、羽生は今シーズンをこう振り返った。

 

「悔しい気持ちはあるが世界選手権を終えてから隔離期間もあって普通の生活ではなかった中で“よくやった”と言ってあげたいような内容だったと思う」

 

コロナ禍による無観客試合や、拠点であるカナダを離れ日本で練習するなど、異例ずくめとなった今シーズン。選手としてだけでなく、“研究者”としても羽生は一つの節目を迎えていた。

 

’13年に早稲田大学へ入学した羽生。選手として活動するかたわら、在学中に取り組んだ研究が、“フィギュアとデジタル”の融合だ。

 

「羽生さんは体や指先に多数のセンサーを装着し、動きを3Dで記録・分析するモーションキャプチャと呼ばれる技術を活用。自ら体にセンサーをつけ、ジャンプなどの動きをデジタルデータ化したそうです」(大学関係者)

 

羽生が所属したゼミの指導教員で卒論も見守った同大学人間科学部人間情報科学科の西村昭治教授は、羽生の尋常ならざる研究への熱意について本誌にこう語っていた。

 

《これはなかなか1人で設定するのは大変で。でも、『仙台まで行って手伝おうか?』と私が言っても、『いやいや、なんとか自分でやります』と。彼はすぐに機械の使い方を理解して、使いこなせるようになっていましたね》(’20年12月1日・8日号)

 

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