■「常にケガと隣り合わせで、いつ壊れるかわからない不安があると思います」
’24年オフ、朗希はポスティングシステムを利用し、ドジャースに入団。大谷翔平や山本由伸はタイトルを獲得し、チームを優勝させた後、メジャーに挑戦していた。朗希はロッテでの5年間、一度も規定投球回数に届かず、期待ほどの成績を挙げられなかった。そのため、評論家やファンから批判が噴出した。トレーニングコーチの菊地大祐さん(46)はこう考える。
「出力の高い朗希は常にケガと隣り合わせで、いつ壊れるかわからない不安を抱いていると思います。周りは『3年後でも大丈夫』と楽観視しても、その間にケガをしてメジャーに行けなくなるかもしれない。そんな懸念があったのでは」
広島、ヤクルト、ロッテで21年にわたって、数百人の選手の体を見てきた菊地さんは朗希の特異性をよく知っている。
「彼と同じく160キロを投げていた由規(元ヤクルト)も『目いっぱい投げると、体が壊れるかもしれない』と言っていました。あのくらい速い球を投げると、ケガのリスクはかなり高くなるんです」
由規は20歳の3年目、当時日本人最速の球速161キロをマークし、12勝を挙げた。このまま球界のエースに成長するかと思われたが、2年後に肩を痛め、通算32勝で現役を終えた。朗希がケガをしない保証は、どこにもない。菊地さんは震災の経験も早めのメジャー挑戦に大きく影響を与えたと考える。
「いつ、何が起こるかわからない。当たり前の日常は続かない。彼はそういう経験をしているから、第三者が『3年後でいいだろう』と気軽には言えないんです」
朗希の心境や体の状態は、本人にしかわからない。だが、他人はそれを考慮せず、自分の経験や過去の慣習から物事を判断し、好き勝手な意見を述べてしまう。朗希自身はこう語っている。
《マリーンズファンの中には、僕のことをよく思わない人がいても当然だと思います。もっと長くマリーンズで活躍してからメジャーに行ってほしいというファンの方の思いを否定することはありません。ただ、今まで応援してくださった方々には本当に感謝していますし、今後メジャーで結果を出すことで答えるしかないと思っています》(前出『週刊文春』より)
