「これまで遺骨はお墓に埋葬するのが当たり前でしたが、最近は桜の木の下に埋める『桜葬』、家族同然のペットと一緒に眠るお墓など、さまざまな価値観、選択肢が生まれています」
そう話すのは、エンディングデザインコンサルタントの柴田典子さん。いま、埋葬の選択肢が増えている。大きくわけて埋葬法には、地中に埋める「埋骨」、納骨堂に納める「納骨」、細かく砕いた遺骨を海にまくような「散骨」、遺骨を加工して装飾品にする「手元供養」があり、そこから故人や家族の希望に沿った埋葬の形が広がりをみせているという。その中から、主な埋葬法を柴田さんに解説してもらった。
■樹木葬
「桜葬などシンボルとなる木を墓標にし、その周辺の区分けしたスペースに埋骨するものです。場所によっては故人の好きな木を植えることも可能。人気が高く、キャンセル待ちになることもあります」
■森林葬
「森林葬に指定された墓地の区画に埋葬。そこに苗木を植えます。遺骨は数年後に取り出して、お寺の墓に合祀。成長した苗木は里山に移して植林します」
■海洋葬
「パウダー状にした骨粉を、人に迷惑をかけないことを前提に海にまきます。世界中の海が墓標となります」
■宇宙葬
「遺灰をカプセルに入れて、ロケットで打ち上げます」
■装飾品・収蔵品
「遺骨の一部を埋め込んだ人工ダイヤモンドや、遺骨を核にした真珠などを、指輪やペンダントなどに加工。いつでもどこでも故人の一部を身につけて過ごすことができます。また、自宅の仏壇に小さな骨壺(収蔵品として)を置いて供養する方も増えています」
墓参りが大変という人にも、より身近に故人を感じられる埋葬法が選べる時代になった。