子育て時代に4千万円貯めた妻の口癖は「我が家は貧乏」
1男3女の4人の子どもを大学・大学院を卒業させ、自らも還暦を過ぎて大学へ入学・卒業した専業主婦の三田絹代さん(72)。いまは山口市内で元公務員の夫と悠々自適の年金生活を送る。
家族構成は、夫73歳(元地方公務員)+1男3女(全員独立)。夫の現役時代の年収は10年間平均で500万円、当時の毎月の貯蓄15万円で、生活費は15万円だったという。貯蓄座右の銘は「ない袖は振れない」という三田さんが、子育て時代に総額4千万円の教育費を貯めた秘訣を聞いた――。
①「我が家は貧乏」をアピール
「我が家はお金がない、うちは貧乏だからを口癖にし、経済観念を身につけさせようと思いました。子どもたちはものを粗末にすることはいまだにありません。本当は当時もかなり貯めていたのですが」
②子どもたちの洋服やランドセルはすべてお下がり
「既製服を買ったことはありません。親戚たちが、お下がりをくれていたので、着るものに困ったことはないのです。新品は汚すことが気になりますが、お下がりなら気にせず遊べるよさも。新品といえば、私が洋服を手作りしていました。それを姉妹が代々着回すのが当たり前。学用品は惜しみなく買いました。お兄ちゃんの参考書は新品ですが、それがお下がりとなるのです」
③資源を大切にする
「ティッシュの使い捨てはしません。ハンカチで鼻をかんで、洗うのが我が家流。計算問題や漢字書き取りなど紙を大量に使う勉強も、広告の裏を使っています。いまだに広告の裏は重宝しますね」
④豪華なレジャーはなし
「豪華な場所へは行かないので我が家によそ行きの服は一着もありません。たいてい野山や海でのレジャーですから必要もなかったのです」
⑤お菓子は手作り
「市販の箱菓子やスナック菓子を食べさせたことはありません。子どもたちが帰宅するまでに、必ずケーキやドーナツなど1品作るのが習慣でした。200円くらいの材料でケーキを焼くことができます」
⑥お兄ちゃんが家庭教師
「教育には力を入れましたが、塾や家庭教師を頼むことは皆無でした。いちばん上の長男だけは親が教え、その後は長男がみんなの勉強を見てあげていました。いま長男は大学で教授という立場に」
⑦夫には内緒にする
「節約に励んでいたので、長男、長女が大学へ進学するころは1千万円、2千万円と着々と貯まっていたのですが、夫には一切を内緒に。妻が貯めると夫は甘えて使うという話が多いからです」
⑧新築は人に貸す
「途中、土地を借りてそこに長屋を建てて、賃貸収入を得たこともありました。新築住宅の建設現場を子どもたちに見せたとき『なんで自分たちはボロボロの家で、新築は人に貸すの?』と質問が飛びましたが、『我が家は貧乏なの』で押し通しました」